「Oracle Data Integratorがどういうサービスか知りたい」
「Oracle Data Integratorを活用することでのメリットは何があるのだろうか」
昨今ETLツールを使って様々に分断されたデータを一箇所に集約したり、バラバラな形式のデータを整理された形で統合する、といったタスクは企業にとって重要で、データが大きな資産となっています。
このような流れで多くの企業がETLツールを提供する中で、どれを導入すれば良いか迷われたことのある方も多いのではないでしょうか。
本記事ではOracleが提供するETLツールであるOracle Data Integratorについてご紹介します。
Oracle Data Integratorとは
Oracle Data Integratorとは、Oracleが提供するETLツールです。
Oracleといえばコンピュータやメインフレーム、データベースが有名ですが、データ分析プラットフォームやビッグデータ分析などのソリューションも提供しています。
Oracle Data IntegratorのETLツールとしての特徴は、
・専用サーバーが必要ない
・ノーコードでの開発が可能
・柔軟な連携タイミングによるデータ連携
などがあります。
中間サーバーとしてハードウェアを準備する、といった運用コストをかけずにETLツールを導入したい場合や、マニュアルやサポートの充実した信頼できるETLツールをお探しの場合に特にOracle Data Integratorは推奨できます。
Oracle Data Integratorの利点
Oracle Data IntegratorのETLツールとしての利点について詳しく見ていきます。
専用サーバーが必要ない
従来のETLツールでは中間サーバーを経由するため、毎回全てのデータをロードし、中間サーバの台数やスペックがボトルネックとなっていました。
Oracle Data Integratorでは中間サーバーを必要としないため、ネットワーク転送処理自体が少なくなり、よりリアルタイムなデータ連携が可能でかつコストを削減することができます。
ノーコードでの開発が可能
従来のETLツールでは、詳細をカスタムで作り込んでいく必要があるため、複雑かつ管理コストが大きくかかりました。
Oracle Data Integratorでは宣言型設計と言って、「何を」作るかを定義、「どのように」作るかを定義(ビルトインテンプレート)することでデータフローを自動生成できます。この機能によって開発時間の短縮や、誰が作っても再現性のあるデータフローを作成することができます。
更にデータベースごとに事前定義済み設定テンプレートが提供されており、生産性の向上やメンテナンスコストの低減に寄与しています。
柔軟な連携タイミングによるデータ連携
バッチ連携、リアルタイム連携、SOA連携といった連携タイミングを使用することが可能です。
特にデータ更新が発生した際にデータ変更差分のみを取り込む処理や、SOAプロセスからのバッチ処理起動は、かなり実用的で、企業の既存のデータ処理フローにもすぐに取り込める柔軟さがあります。
Oracle Data Integratorの導入
Oracle Data Integrator導入にどのようなステップが存在するか解説します。
以下はOracle Data Integratorソフトウェアをインストール後のタスクです。
- マスター・リポジトリおよび作業リポジトリ・スキーマの作成
- 追加の作業リポジトリの作成
- Oracle Data Integratorエージェントのドメインの構成
- エージェントの作成
- エージェントの起動
- スタンドアロン・エージェントに対するロード・バランシングの構成
- Oracle Data Integratorの高可用性の構成
- セキュリティの構成
- トポロジの設定
- データ・サービスの設定
- 統合プロセスの実行、デバッグおよびモニター
- Enterprise Managerを使用したODI環境の管理
- エージェントの停止
用語として見慣れないものもあるかもしれませんが、マニュアルに沿って設定していくため、手順につまづくということはありません。
Oracle Data Integratorのケーススタディ
実際にOracle Data Integratorの導入によって企業の課題が解決した事例を見ていきます。
ある企業ではETLのデータフローで以下のような課題を抱えていました。
・フルスクラッチ開発のため開発コストが大きく、メンテナンスも大変
・日次実行バッチの増大
・仕様変更や修正に膨大な調査時間がかかる
・障害発生時のバグフィックスが困難
これらの課題に対して、Oracle Data Integratorの導入により下記のような改善効果がありました。
改善点①:開発〜運用の一元管理化
開発情報はOracle Data Integrator内のレポジトリに一元管理、開発や実行の状況はモニタリング可能になり、運用負荷が軽減しました。また、管理対象のハードウェアを削減することができました。
改善点②:開発コストと期間の削減
複数のプログラミング言語の習得は不要になり、開発者の固定化を解消した結果、開発コストと期間の削減を達成しました。
改善点③:仕様変更への対応が容易に行えるようになった
GUIベースで開発が行えて、テーブル仕様の変更に対しても柔軟に対応可能、設定もパラメータ等で変更できるため、仕様変更に必要な時間や労力を削減することができました。
改善点④:システムクオリティ全体の向上
定義済みモジュールを使用可能なため、コード品質は一定以上に担保され、更にノーコード開発で人為的なバグが減少しました。
この事例の企業では開発〜運用の各フェイズの負荷は軽減され、パフォーマンスが向上していることが分かります。
まとめ
Oracle Data Integratorについて特徴や事例について解説しました。
データ変換をするためのデータソースやツールが複雑化してしまっていたり、追加開発や仕様変更時のコストを抑えたいという課題を持っている企業にとってはとてもマッチするETLツールかと思います。
本記事がOracle Data IntegratorやETLツールの理解の一助になったのであれば幸いです。
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