BIツールである「Power BI」もしくは「Tableau」を知っている/すでに利用しているという企業様/ユーザのみなさまも多いと思います。
では、自社/自身に向いているBIツールは何か?と考えたことはありますでしょうか。
「直感的にデータを可視化したい」
「とにかく大容量の様々なデータに接続したい」など
BIツールの使い方や用途によって、向いているBIツールも異なります。
本記事では、実際にBIツール選定やPower BI/Tableauでのデータ可視化・分析、業務効率化を行い、その他BIツール導入に多くの知見のある株式会社KUIXがこれまでの経験をもとにBIツールの中でも特に人気の高い「Power BI」と「Tableau」にフォーカスしてご紹介します。
それぞれのBIツールの概要、表現力と操作性、構成、価格、比較表を通じて、企業様/ユーザのみなさまがBIツール利用を検討する際の参考になりましたら幸いです。
Power BI と Tableau の共通点
Power BI と Tableau の共通点は、①「BIツール」であることと②「セルフサービスBI」であることという2つの共通点があります。
操作や機能、費用面で異なる部分はありますが、BIツールとしての基本的な機能は、Power BI と Tableauどちらも兼ね備えています。
BIツール
BIツールを一言で表すと「大量データ」を「簡単」に「可視化」するソフトウェアです。
BIツールを導入した企業では、大量のデータを分析し、自社ビジネスを取り巻く環境で何が起きているのか?を迅速に把握できるようになります。
BIツールには、主に次の機能があります。
・大量データのサマライズと可視化
社内外のデータに接続し、大量のデータを集計および可視化(ビジュアライズ)することができます。
・データの深堀
大量データ全体の傾向を把握した上で、より詳細な傾向の要因の分析することができます。
・定型レポートの構築
データは自動更新されるため、レポートは1度作成すれば、常に最新データを確認することができます。
・データの出力(Excel, CSV形式でのダウンロード)
集計および可視化(ビジュアライズ)したデータは、ExcelやCSVファイルなどにダウンロードすることができます。
セルフサービスBI
セルフBIサービスとは、Power BIやTableauのようにプログラミングなどのITに関する専門知識を必要とせずにデータの抽出から分析、レポート作成までを行えるツールを指します。
通常、十数年にも及ぶ社内の売上データなどの大量データを扱う場合は、SQLなどのプログラミング言語を用いてデータを抽出するなどプログラミングの知識が多少なりとも必要になります。
研修などを受けて経験を積めばBIツールも使いこなせるようになりますが、誰でも簡単にすぐに使えるというわけではありません。
しかし、セルフサービスBIは、プログラミングなどの専門知識がなくても使えるように設計されているため、ある程度Excelなどを使える知識があれば、短期間で誰もが簡単にデータ分析をすることができます。
Power BI と Tableau の概要
ここからは、具体的にPower BI と Tableauの違いを解説しますが、その前にそれぞれの概要を説明します。
Power BI とは?
Power BIは、Microsoft社が提供するデータ主導のビジネスソリューションをすばやく構築するためのプラットフォームである「Microsoft Power Platform」のアプリケーションの1つです。
「Microsoft Power Platform」のアプリケーションは、プログラミングをしなくても業務システムを構築できる「ローコード開発」がコンセプトになっています。
そのため、「Microsoft Power Platform」のアプリケーションの1つであるPower BIは、高度な知識がなくても誰もが簡単にデータ分析ができる「セルフサービスBI」と言われています。
Microsoft製品であるExcelと類似している操作方法、画面構成のため、誰でもすぐに使い始めることができます。
Tableau (タブロー) とは?
Tableau(タブロー)も、Power BIと同様に「大量データ」を「簡単」に「可視化」するBIツールです。
多機能であり、扱えるデータの容量も無制限なため、データの規模を問わず対応しています。
なお、機能を使いこなすためにはデータに関する知識やデザインに関する知識などある程度の専門知識が必要となりますが、
データ分析のプロフェッショナルであるデータアナリストから人気のあるBIツールです。
Power BI と Tableau の違い
ここからは、Power BI と Tableau の違いを、表現力、操作性、構成と費用別に解説します。
Power BI と Tableau の違い – 表現力 –
都道府県別の総人口、男性人口、女性人口のデータを横棒グラフで表現したいとします。
Tableauでは、軸:都道府県別に、総人口、男性人口、女性人口の横棒グラフを横並びに表示することができます。
一方、Power BIでは、各ビジュアル(グラフ)が独立しているため、軸:都道府県名が総人口、男性人口、女性人口ごとに表示されてしまうため、少し見ずらくなってしまいます。
同様に、Power BIでは、各ビジュアル(グラフ)が独立しているため、ビジュアル(グラフ)が表形式だった場合にスクロールすると1つのビジュアル(グラフ)のみがスクロールされるため、比較したい場合は、その他のビジュアル(グラフ)もスクロールしなければならない。など表現力で劣る点があります。
Power BI と Tableau の違い – 操作性 –
Power BIは、Microsoft社製品のExcelと同様の操作方法、画面構成に対して、Tableauは、直感的な操作方法、画面構成という違いがあります。
Power BIは、Excelと同様に操作したい内容に応じて、リボン/タブよりメニューを選択して操作するのに対し、Tableauは、操作(編集)したい部分を右クリックしして表示されるメニューから操作(編集)する。という違いがあります。
また、グラフを作成する際に、最初にデータ項目を選択しますが、Power BIは右側に表示されているのに対し、Tableauは左側に表示されています。
そのため、”Zの法則”や”Fの法則”などもあるように、Tableauの方がより直感的で自然な操作だと感じる方も多くいると思います。
Power BI と Tableau の違い – 構成と費用 –
一般的なBIツールは、レポート作成を行うデザイナーツールと実際にレポートの分析・閲覧するためのツールに分かれていることが多く、Power BIとTableauも同様の構成となっています。
費用は、それぞれライセンスによって異なっており、それぞれのデザイナーツールと分析・閲覧用ツール、ライセンスは以下の通りです。
〇Power BI
・デザイナーツール:Power BI Desktop
Excelファイルをはじめ各種データソースのデータを抽出、加工、分析および、レポートの設計・開発を行うためのWindowsデスクトップアプリケーション
・分析・閲覧用ツール:2種類
1.Power BI Service
Power BI Desktopで作成したレポートやダッシュボードをWebブラウザ上で閲覧、共有するクラウドベースのサービスまたはサービスとしてのソフトウェア(SaaS)。
2.Power BI モバイル
Windows、Android、iOSの3つのOSに対応しているモバイルアプリ。
・ライセンス:3種類
※Power BIライセンス費用の最新情報は、Microsoft社のWebサイトをご確認ください。
1. Power BI Free
Microsoft365のいずれのプランにおいても、無償かつユーザー数無制限で利用可能なライセンス。(個人利用を目的としたライセンスのため、作成したレポートやダッシュボードを共有は不可)
2.Power BI Pro
作成したレポートやダッシュボードを共有(Power BI Serviceにアップロード)する際に使用するライセンス。Power BI ProはMicrosoft 365 E5に含まれる。
– 単位:ユーザー単位
– 費用:1,090円/月
3.Power BI Premium Per User (PPU)
Power BI Proライセンスの機能に加え、AI機能(AutoML、影響分析、Cognitive Services)が利用可。
– 単位:ユーザー単位
– 費用:2,170円/月
4.Power BI Premium
Power BI Freeライセンスのユーザ(無制限)へ作成したレポートやダッシュボードを共有するためのライセンス。
レポートやダッシュボードを共有するユーザは、Power BI ProもしくはPower BI Premium Per User (PPU)ライセンスが必要。
– 単位:容量単位
– 費用:543,030円/月
〇Tableau
・デザイナーツール:2種類
1.Tableau Desktop
Excelファイルをはじめ各種データソースのデータを抽出、加工、分析および、レポートの設計・開発を行うためのデスクトップアプリケーション。
Windows 以外に Mac OSにも対応しています。
2.Tableau Public
Tableau Desktopと同様に公開されているデータに接続し、可視化・分析・共有可能なアプリケーションです。
・分析・閲覧用ツール:2種類
1.Tableau Server/Tableau Cloud
Tableau Desktopで作成したレポートやダッシュボードをブラウザやモバイルアプリから閲覧するオンプレ/クラウドサービス。
Tableau Serverは自社でサーバーを用意し、インストールして使用。Tableau CloudはTableauのサーバーを使用。
2.Tableau Reader
Tableau Desktopで作成したダッシュボードを閲覧するためのデスクトップアプリケーション。
・その他(ETLツール):Tableau Prep Builder
データを加工し、分析に適した形へデータを整形するためのデスクトップアプリケーションです。
データの結合、形式変換、クリーニングをノンコーディングで行うことができます。
・ライセンス:3種類。いずれもTableau ServerまたはTableau Onlineを利用する際に利用するライセンス。
1.Tableau Viewer
Tableau Server・Tableau Onlineに共有されているレポートを閲覧するためのライセンス。
– 単位:ユーザー単位
– Tableau Server:18,000円/年 ※最低購入数100
– Tableau Online:22,000円/年 ※最低購入数100
2.Tableau Explorer
Tableau Creatorによって整備されたデータソースやTableau Server・Tableau Online上で共有されているデータを利用して、分析や共有を行うためのライセンス。
– 単位:ユーザー単位
– Tableau Server:51,000円/年 ※最低購入数5
– Tableau Online:60,000円/年 ※最低購入数5
3.Tableau Creator
Tableau ServerまたはTableau Onlineに加え、Tableau Prep Builder、Tableau Desktopを利用するためのライセンス。
– 単位:ユーザー単位
– 102,000円/年
まとめ
Power BI と Tableauの概要、表現力と操作性、構成、価格、比較表を通して、自社/自身に向いているBIツールを検討する上でのポイントは理解いただけましたでしょうか。
既にBIツールをご利用の方も、もしかすると自社/自身に向いているBIツールは別のBIツールなのでは?と思った方もいらっしゃると思います。
弊社(株式会社KUIX)ではただ導入・開発するだけでなく、導入後の利活用を実現することに着眼した、BIツールの選定・導入からレポート作成、運用、啓蒙・展開までトータルのコンサルテーションなどを行っています。
「BIツールを導入したい」
「Power BI/Tableauを導入したい、すでに導入しているが展開が進んでいない」など
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