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SAP BusinessObjectsとは?特徴やSAP Analytics Cloudとの違いについて

みなさまは、”SAP社”と聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「ERPパッケージで有名な会社だよね!」
「自社でも統合基幹業務システムにSAPを導入している」
といった方も多いのではないでしょうか。

ERPは、Enterprise Resources Planningの略称で、企業経営の基本である資源要素(人材・情報・資金・設備)を適切に分配し有効活用する考え方や資源要素(人材・情報・資金・設備)を管理・分析するシステムを意味しています。

また、データを元に意思決定を行うデータドリブンには、ビジネスデータが集まっているERP製品内のデータ分析が不可欠です。

本記事では、ERP製品で有名なSAP社が提供するBIツールである「SAP BusinessObjects」について、概要や特徴、料金などを解説いたします。

目次

SAP BusinessObjects とは

SAP BusinessObjectsを一言で表すと、ERP製品で有名なSAP社が提供する表形式でのレポーティングに強みを持つセルフサービスBIです。

SAP BusinessObjectsの正式製品名は「SAP BusinessObjects Business Intelligence」ですが、「BO」と略されることも多く、SAP ERP(SAP S/4HANA)やSAP BWにあるデータ、またはCSVデータ取り込みなど様々なデータソースからデータを抽出し、表形式はもちろん、その他のグラフやチャートを用いてレポート形式で出力、組織内で共有ができるセルフサービスBIとなっております。

その他にも、SAP BusinessObjectsには異なるデータ同士を結合など統合できるユニバースと呼ばれる機能もあり、作成したデータやレポートは、ExcelへエクスポートやExcelから最新データを取得・更新することもできます。

また、実際の操作は、Webブラウザ経由で基本的にマウス操作のみでレポートの編集や操作を行うことができます。

補足:BIツール とは

BIツールを一言で表すと「大量データ」を「簡単」に「可視化」するソフトウェアです。
BIツールを導入した企業では、大量のデータを分析し、自社ビジネスを取り巻く環境で何が起きているのか?を迅速に把握できるようになります。

BIツールには、主に次の機能があります。
・大量データのサマライズと可視化
 社内外のデータに接続し、大量のデータを集計および可視化(ビジュアライズ)することができます。
・データの深堀
 大量データ全体の傾向を把握した上で、より詳細な傾向の要因の分析することができます。
・定型レポートの構築
 データは自動更新されるため、レポートは1度作成すれば、常に最新データを確認することができます。
・データの出力(Excel, CSV形式でのダウンロード)
 集計および可視化(ビジュアライズ)したデータは、ExcelやCSVファイルなどにダウンロードすることができます。

補足:セルフサービスBI とは

セルフBIサービスとは、SAP BusinessObjectsやMicrosoft社のPower BI、Tableau Software社のTableauのようにプログラミングなどのITに関する専門知識を必要とせずにデータの抽出から分析、レポート作成までを行えるツールを指します。

通常、十数年にも及ぶ社内の売上データなどの大量データを扱う場合は、SQLなどのプログラミング言語を用いてデータを抽出するなどプログラミングの知識が多少なりとも必要になり、研修などを受けて経験を積めばBIツールも使いこなせるようになりますが、誰でも簡単にすぐに使えるというわけではありません。

しかし、セルフサービスBIは、プログラミングなどの専門知識がなくても使えるように設計されているため、ある程度Excelなどを使える知識があれば、短期間で誰もが簡単にデータ分析をすることができます。

SAP Analytics Cloud との違い

SAP社が提供するBIツールには、「SAP Analytics Cloud」もあります。
主要な機能の違いは以下となりますが、SAP BusinessObjectsは「表形式でのレポーティングに強み」があり、
SAP Analytics Cloudは「予算・計画管理や予測分析に強み」があります。

■主要な機能
〇SAP BusinessObjects
・Crystal Reports(様々な書式の帳票出力)
ピクセル単位でのレイアウト調整やスクリプトによる動的な改ページ制御など詳細な帳票出力要件に対応することができます。
・Web Intelligence(アドホックレポーティング)
ドラッグドロップによるデータ選択やノンコーディングでのレポート作成など自由にレポーティングすることができます。
・Lumira(洗練されたBIアプリケーション)
ビジネスデータをグラフやチャート形式でリアルタイムに可視化し、業務アプリケーションを作成・編集することができます。
・Analysis for Microsoft Office(報告資料作成の効率化)
ExcelファイルへのエクスポートやExcelからのデータ更新、PowerPointへの埋め込みによって、報告資料作成の効率化をすることができます。

〇SAP Analytics Cloud
・SAP Analytics Cloud for BI(データの可視化/分析/探索)
データのビジュアル化、ダッシュボード作成をすることができます。
・SAP Analytics Cloud for Planning(予算/計画管理)
公開/非公開バージョンなどのバージョン管理を行うことができ。計画中予算や確定予算などの予算管理ができます。
・SAP Analytics Cloud for Predictive(機械学習による予測/影響分析)
過去傾向や季節変動などから機械学習による将来予測をすることができます。
・SAP Digital Boardroom(ダッシュボード)
データを元にした意思決定に必要な情報(BI/予測/計画策定/予実管理)を1つのアプリケーションで確認・管理することができます。

SAP BusinessObjects の特徴

SAP BusinessObjectsの概要を理解したところで、数多くあるSAP BusinessObjectsの特徴から主な特徴を3つご紹介します。

業務利用帳票を作成・出力できる

まず1つ目は、業務利用帳票を作成・出力できることです。
前述の通り、SAP BusinessObjectsでは、ピクセル単位でのレイアウト調整やスクリプトによる動的な改ページ制御など詳細な帳票出力要件に対応することができますが、一度作成した帳票は、データ更新するだけでフォーマットを流用することができます。そのため、定型帳票の場合は業務効率化することができます。

Excelからデータを取得・更新できる

2つ目は、Excelからデータを取得・更新できることです。
「Live Office」という機能を用いることによって、利用している/統合したデータをExcelやPowerPointなどのMicrodoft Office製品上で直接取得・更新することができます。

Webブラウザ・モバイルからアクセスできる

最後は、Webブラウザ・モバイルからアクセスできることです。
帳票閲覧・作成・編集は、Webブラウザ上から行う必要がありますが、モバイルにも対応しているため、外出先からでも帳票を閲覧することができます。

SAP BusinessObjects の価格

SAP BusinessObjectsのサービス提供形態については、プライベートクラウド版とクラウド版の2つがありますが、2027年12月末でプライベートクラウド版の製品サポートは終了するようです。

なお、SAP BusinessObjectsは、SAP Business Technology Platform(BTP)の1機能として提供されるため、SAP BusinessObjectsを利用するためにはSAP Business Technology Platform(BTP)の契約が必要となります。※要問い合わせ
※オンプレミス環境へデプロイする場合は、永久ライセンスが必要となります。

※SAP BusinessObjectsの最新料金、お問い合わせは公式サイトを参照ください。
SAP BusinessObjects製品ページ
https://www.sap.com/japan/products/technology-platform/bi-platform.html

また、SAP BusinessObjectsの90日体験版もありますので、SAP BusinessObjectsをご検討中の方は、体験版をご利用してみてはいかがでしょうか。

※SAP BusinessObjectsの90日体験版は公式サイトを参照ください。
SAP Analytics Cloud のガイド付きエクスペリエンス
https://www.sap.com/japan/products/technology-platform/pricing.html

まとめ

ERP製品で有名なSAP社が提供するBIツールである「SAP BusinessObjects」の概要や特徴、料金について紹介しました。

ビジネスデータが集まっているERP製品内のデータや業務システムで利用しているデータベース内のデータを活用して、
「日々の業務指標として実績を確認したい」
「インサイトを発見して、施策立案に役立てたい」
といった方はSAP BusinessObjectsをはじめとするBIツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

KUIXではただ導入・開発するだけでなく、導入後の利活用を実現することに着眼した、データレイク・DWH・データマート・BIツールの選定・導入からレポート作成、運用、啓蒙・展開までトータルのコンサルテーションなどを行っています。
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