みなさまは、”Oracle社”と聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「Oracleデータベースで有名な会社の印象!」
「Javaを提供している会社?」
といった方も多いことと思います。
では、OracleデータベースやJavaなど有名なOracle社が提供するBIツールである「Oracle Analytics Cloud」はご存じでしょうか。
みなさまの企業でもBIツールを利用して、日々の実績や予算進捗を可視化している/したいといった方も多いことでしょう。
代表的なBIツールには、Microsoft社のPower BIやTableau社のTableau、Google社のLookerStudioなどがあります。
本記事では、Oracle社が提供するBIツールである「Oracle Analytics Cloud」について概要や特徴、課金・ライセンス体系などを解説いたします。
Oracle Analytics Cloud とは
Oracle Analytics Cloud を一言で表すと、OracleデータベースやJavaなど有名なOracle社が提供するセルフサービスでデータ分析することができるBIツールです。
前述の通り、Oracle Analytics Cloudは、「Oracle社」が提供するBIツールで、ドラッグ&ドロップやクリックなど、直感的にで操作することができ、分析したいデータについてもOracleデータベースをはじめとするOracle社が提供するデータベースはもちろんのこと、ローカルのExcelやCSVファイルの取り込みからデータ分析までできるセルフサービスBIです。
また、「Oracle社」が提供するBIツールのサービス形態は、オンプレミス/Cloudでサービスを提供しており、以下の名称となっています。
・オンプレミス:Oracle Analytics Server
・クラウド:Oracle Analytics Cloud
補足:BIツール とは
BIツールを一言で表すと「大量データ」を「簡単」に「可視化」するソフトウェアです。
BIツールを導入した企業では、大量のデータを分析し、自社ビジネスを取り巻く環境で何が起きているのか?を迅速に把握できるようになります。
BIツールには、主に次の機能があります。
・大量データのサマライズと可視化
社内外のデータに接続し、大量のデータを集計および可視化(ビジュアライズ)することができます。
・データの深堀
大量データ全体の傾向を把握した上で、より詳細な傾向の要因の分析することができます。
・定型レポートの構築
データは自動更新されるため、レポートは1度作成すれば、常に最新データを確認することができます。
・データの出力(Excel, CSV形式でのダウンロード)
集計および可視化(ビジュアライズ)したデータは、ExcelやCSVファイルなどにダウンロードすることができます。
補足:セルフサービスBI とは
セルフBIサービスとは、Oracle Analytics Cloud やMicrosoft社のPower BI、Tableau Software社のTableauのようにプログラミングなどのITに関する専門知識を必要とせずにデータの抽出から分析、レポート作成までを行えるツールを指します。
通常、十数年にも及ぶ社内の売上データなどの大量データを扱う場合は、SQLなどのプログラミング言語を用いてデータを抽出するなどプログラミングの知識が多少なりとも必要になり、研修などを受けて経験を積めばBIツールも使いこなせるようになりますが、誰でも簡単にすぐに使えるというわけではありません。
しかし、セルフサービスBIは、プログラミングなどの専門知識がなくても使えるように設計されているため、ある程度Excelなどを使える知識があれば、短期間で誰もが簡単にデータ分析をすることができます。
Oracle Analytics Cloud の特徴
Oracle Analytics Cloudの概要を理解したところで、Oracle Analytics Cloud の主な特徴を3点ご紹介します。
大容量のデータを高パフォーマンスで分析できる
まず1つ目は、大容量のデータを分析できることです。
通常、BIツールから分析対象であるデータベースのデータを取得する際に、データベースによっては利用できない関数(DB関数)もあり、一部の処理をBIツール側で保管するなど、大容量のデータに対応できないことやBIレスポンスタイムが遅いことがあります。
一方、Oracle Analytics Cloudは、データベースとして、Oracle Autonomous Databaseを利用することで、Oracle Analytics Cloudからデータを取得する際に、すべての関数(DB関数)を利用することできるため、データベースの性能をフル活用し、導入事例では、BIレスポンスタイムを最大1/60に短縮したという実績があります。
機械学習や定型処理したデータセットを共有できる
2つ目は、機械学習や定型処理したデータセットを共有できることです。
分析対象のデータとして、データベースやExcel内のデータをそのまま利用することは少なく、異常値や不要列を削除するデータクレンジングや統計学的手法などを用いたデータを用いることが多いですが、BIツールでは、そのような加工したデータを他のユーザーやレポート・ダッシュボード間で共有できないことも多くあります。
一方、Oracle Analytics Cloudでは、他のユーザーやレポート・ダッシュボード間で共有することができるため、効率的にレポーティングすることができ、本来注力した業務に時間を割くことができます。
データモデルやセキュリティ定義を一元管理できる
最後は、データモデルやセキュリティ定義を一元管理できることです。
通常のBIツールでは、レポート・ダッシュボード内の計算式はレポート・ダッシュボード単位での管理となるため、分析対象のデータ項目に変更があった場合は、レポート・ダッシュボードごとに修正する必要があります。
一方、Oracle Analytics Cloudでは、計算式の定義やセキュリティ設定などのメタデータを共有し、一元管理することができます。
Oracle Analytics Cloud の課金体系、ライセンス体系
Oracle Analytics Cloudの概要、特徴を理解したところで、最後にOracle Analytics Cloudの課金体系、ライセンス体系を解説します。
※以下、概要となりますが、Oracle Analytics Cloudの各ライセンス、費用の見積の最新情報は公式サイトを参照ください。
OCIサービスの構成および費用の見積り
https://www.oracle.com/jp/cloud/costestimator.html
※OCIサービスは、Oracle Cloud InfrastructureというOracle社のクラウド環境です。
※カテゴリの選択で「アナリティクスおよびBI」を選択すると、各ライセンスの詳細が表示されます。
Oracle Analytics Cloud の課金体系
Oracle Analytics Cloudの課金体系は、OCPU課金とユーザー課金の2種類があります。
〇OCPU課金(OCPU Per Hour)
OCPU(Oracle Compute Unitの略称)によって、時間単位で課金されるプランです。
OCPUは、Oracle Cloud InfrastructureというOracle社のクラウド環境を利用する際のOracleがサービスの構築に使用する処理ユニットでコンピュート・サイズが大きくなると、処理能力も向上します。
〇ユーザー課金(User Per Month)
月別で後述のライセンスユーザー数によって課金されるプランです。
最小10ユーザーから最大3,000ユーザーの上限/下限があり、ユーザーがアクティブかどうかに関わらず、契約したユーザー数によって課金されます。
また、月内でユーザーを削除した場合でも、月内の最大ユーザー数で課金されます。
Oracle Analytics Cloud のライセンス体系
Oracle Analytics Cloudのライセンスには、Professional/Enterpriseの2種類があります。
また、すでにオンプレミスのライセンスを持っている場合は、ライセンスの持ち込み:BYOL(Bring Your Own Licese)ができ、
新規にライセンスを購入するよりも安く、既存オンプレ版ライセンスをクラウド版ライセンスへ移行することができます。
〇Professional
主にデータ接続からレポーティングをするためのライセンスです。
作成した分析レポート、ダッシュボードのメール配信設定ができないなどの制限があります。
〇Enterprise
Professionalライセンスの機能を含む主に管理者向けのライセンスです。
作成した分析レポート、ダッシュボードのメール配信設定や、利用状況の確認などをすることができます。
※各ライセンスのできることの違いは、公式サイトを参照ください。
エディション: Enterprise および Professional
https://docs.oracle.com/en/cloud/paas/analytics-cloud/acsgs/what-is-oracle-analytics-cloud.html#GUID-C5F5B781-BF3C-4985-8B89-9638568EBBFF
まとめ
「Oracle Analytics Cloud」の概要や特徴、課金・ライセンス体系などについて紹介しました。
Oracleデータベースをはじめとする業務システムで利用しているデータベースに蓄積している大量のデータを活用して、
「日々の業務指標として実績を確認したい」
「インサイトを発見して、施策立案に役立てたい」
といった方はOracle Analytics Cloudの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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