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SAP Analytics Cloudとは?ビジネスの予実管理から予測分析まで行うセルフサービスBIの概要や特徴

みなさまは、”ERP”の正式名称をご存じでしょうか。
「実は知らない。。。」
「なんとなく使っているけど、聞かれたら困る。。。」
といった方も多いのではないでしょうか。

ERPは、Enterprise Resources Planningの略称で、企業経営の基本である資源要素(人材・情報・資金・設備)を適切に分配し有効活用する考え方や資源要素(人材・情報・資金・設備)を管理・分析するシステムを意味しています。
また、データを元に意思決定を行うデータドリブンには、ビジネスデータが集まっているERP製品内のデータ分析が不可欠です。

本記事では、ERP製品で有名なSAP社が提供するBIツールである「SAP Analytics Cloud」にフォーカスし、SAP Analytics Cloudの概要や特徴、料金などを解説いたします。

目次

SAP Analytics Cloud とは

SAP Analytics Cloud を一言で表すと、ERP製品で有名なSAP社が提供する予算・計画管理や予測分析がコンセプトのセルフサービスでデータ分析することができるBIツールです。

SAP Analytics Cloudは、「SAC」と略されることも多く、クラウド製品のため、製品のアップデートなどは自動で行われるため、最新機能を常に利用することができ、SaaS製品のため、ハードウェアの準備やソフトウェアのインストールは不要で低コストかつ、短納期でWebブラウザ経由で利用することができます。

また、分析対象のデータは、SAP社製品であるS/4 HANAやBW/4HANAはもちろんですが、その他のデータベースのデータやExcelファイルなども分析対象にすることができます。
なお、2015年12月にリリースされた際は、「SAP Cloud for Analytics」という名称で、その後「SAP BusinessObjects Cloud」に変わり、
2017年に現在の「SAP Analytics Cloud」という名称でSAP BusinessObjects Cloudをベースとした予算・計画管理や予測分析が可能なクラウド版のセルフサービスBIとしてリリースされました。

補足:BIツール とは

BIツールを一言で表すと「大量データ」を「簡単」に「可視化」するソフトウェアです。
BIツールを導入した企業では、大量のデータを分析し、自社ビジネスを取り巻く環境で何が起きているのか?を迅速に把握できるようになります。

BIツールには、主に次の機能があります。
・大量データのサマライズと可視化
 社内外のデータに接続し、大量のデータを集計および可視化(ビジュアライズ)することができます。
・データの深堀
 大量データ全体の傾向を把握した上で、より詳細な傾向の要因の分析することができます。
・定型レポートの構築
 データは自動更新されるため、レポートは1度作成すれば、常に最新データを確認することができます。
・データの出力(Excel, CSV形式でのダウンロード)
 集計および可視化(ビジュアライズ)したデータは、ExcelやCSVファイルなどにダウンロードすることができます。

補足:セルフサービスBI とは

セルフBIサービスとは、SAP Analytics CloudやMicrosoft社のPower BI、Tableau Software社のTableauのようにプログラミングなどのITに関する専門知識を必要とせずにデータの抽出から分析、レポート作成までを行えるツールを指します。

通常、十数年にも及ぶ社内の売上データなどの大量データを扱う場合は、SQLなどのプログラミング言語を用いてデータを抽出するなどプログラミングの知識が多少なりとも必要になり、研修などを受けて経験を積めばBIツールも使いこなせるようになりますが、誰でも簡単にすぐに使えるというわけではありません。

しかし、セルフサービスBIは、プログラミングなどの専門知識がなくても使えるように設計されているため、ある程度Excelなどを使える知識があれば、短期間で誰もが簡単にデータ分析をすることができます。

SAP Analytics Cloud の特徴

SAP Analytics Cloudの概要を理解したところで、SAP Analytics Cloudの主な特徴を以下の3点ご紹介します。

大量データの高速処理できる

まず1つ目は、大量データの高速処理できることです。
SAP Analytics Cloudは、SAP HANAというデータベースを利用しており、SAP HANAはインメモリ型の超高速データベースです。
そのため、会計データや在庫データなどの日次の大量データであっても、必要なKPIを瞬時に出力・表示することができます。
なお、データベースは、インメモリ型とオンディスク型の2種類があり、以下のような違いがあります。
〇インメモリ型
・概要
コンピューターのメモリ(主記憶装置)上でデータを管理するデータベース
・メリット
データの読み書きが非常に高速。(メモリはディスクと比べて100倍程度応答速度が早い)
・デメリット
ハードウェア障害などでデータを消失するリスクが高い。
サーバーに大容量のメモリを搭載する必要があるため、コストが高い。

〇オンディスク型
・概要
HDDやSSDなどのディスクストレージ上でデータを管理するデータベース
・メリット
ディスク容量の制限がないため、大量のデータを格納できる。
サーバーに大容量のメモリを搭載する必要がないため、コストを抑えることができる。
・デメリット
データの読み書きがやや遅い。

予算策定など予算・計画管理ができる

2つ目は、予算策定など予算・計画管理ができることです。
SAP Analytics Cloudは、予算・計画管理に必要なデータ入力管理やバージョン管理、多段階配賦・簡易シミュレーションなどの機能があり、
その他にもコメントやワークフローなどのコミュニケーション機能があります。関係者間で情報共有しながら予算策定などの予算・計画管理をすることができます。

AI・機械学習で予測分析ができる

最後は、AI・機械学習で予測分析ができることです。
SAP Analytics Cloudでは、過去傾向や季節、天気といった変動要因を考慮した予測分析をAI・機械学習で行うことができます。
また、スマートインサイト機能では、グラフに表示されていない他の分析軸(データ項目)との相関関係をワンクリックで分析し、影響度の高い項目をグラフとテキストで表示することができます。

SAP Analytics Cloud の料金

SAP Analytics Cloudの料金は、ユーザー単位での課金となり、料金や最小契約ユーザー数などは以下となります。
また、30日間の体験版もあります。

〇料金
1ユーザーあたり $432.0/年

〇最小契約ユーザー数
5ユーザー

〇その他
・最低契約期間は12カ月。
・契約期間が1年未満の場合、月ごとに日割り計算。

※SAP Analytics Cloudの最新料金、お問い合わせは公式サイトを参照ください。
SAP Analytics Cloudの価格
https://www.sap.com/products/technology-platform/cloud-analytics/pricing.html

※SAP Analytics Cloudの30日体験版は公式サイトを参照ください。
SAP Analytics Cloud のガイド付きエクスペリエンス
https://www.sap.com/products/technology-platform/cloud-analytics/guided-experience.html

まとめ

ERP製品で有名なSAP社が提供するBIツールである「SAP Analytics Cloud」について、概要や特徴、料金などをご紹介しました。

ビジネスデータが集まっているERP製品内のデータや業務システムで利用しているデータベース内のデータを活用して、
「日々の業務指標として実績を確認したい」
「インサイトを発見して、施策立案に役立てたい」
といった方はSAP Analytics CloudをはじめとするBIツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

KUIXではただ導入・開発するだけでなく、導入後の利活用を実現することに着眼した、データレイク・DWH・データマート・BIツールの選定・導入からレポート作成、運用、啓蒙・展開までトータルのコンサルテーションなどを行っています。
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