“カレーライスに必要な食材”と聞けば、
「(市販ルーを使う場合)カレールー、玉ねぎなどの具材、福神漬け・・・」
とすぐにイメージできますよね?
“カレーライスに必要な食材”と同様に、”仮想マシンを構成する要素”にも
「OS、アプリケーション、ストレージ・・・」
などがあります。
そして、スーパーマーケットにもカレーライスの具材セットなどが販売されているように、仮想マシンを作成するためのセットがあり、AWSでは、AMI(Amazon マシンイメージ)と呼ばれます。
本記事では、AWSが提供する「AWS AMI」にフォーカスし、AWS AMIの概要やメリット、料金体系などを解説いたします。
AWS AMI (Amazon マシンイメージ) とは
AWS AMIを一言で表すと、仮想マシンである「AWS EC2インスタンスを構築するために必要な情報がまとまっているテンプレート」です。
また、AWS AMIは、AWS Amazon Machine Imageの略で、「エーエムアイ」や「アミ」と呼ばれています。
通常、EC2インスタンスを構築・起動するためには、WindowsやMacOSなどのOSやOSのバージョン、ブロックデバイスマッピングなどの設定が必要になりますが、AWS AMIを使用することで、複数のEC2インスタンスを同じ設定で構築することや別のリージョンでの使用もできます。
AWS AMI の要素
AWS EC2インスタンスを構築するために必要な情報がまとまっているテンプレートであるAWS AMIに必要な情報は、OS、アプリケーション、ストレージ、起動許可になります。
OS
まず1つ目は、WindowsやMacOSなどのOSです。
アプリケーション
2つ目は、WordpressやSQLServerなどのアプリケーションです。
アプリケーションがインストール済のAWS AMIを利用することもできます。
ストレージ
3つ目は、ストレージです。
ストレージは、以下のいずれかに分類され
・Amazon EBS-backed AMI:Amazon EBS スナップショットから作成される Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) ボリューム
・Amazon instance store-backed AMI:Amazon S3 に保存されたテンプレートから作成されたインスタンスストアボリューム
※ストレージに関する最新情報は公式ドキュメントを参照ください。
ルートデバイスのストレージ https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/UserGuide/ComponentsAMIs.html#storage-for-the-root-device
起動許可
最後は、作成したEC2インスタンスを誰がAMIから起動できるかという権限情報である起動許可です。
誰でもAMIからEC2インスタンスを起動および使用してしまっては困るため、誰が使えるか権限管理することが必要です。
AWS AMI (Amazon マシンイメージ) の種類
新しくEC2インスタンスを作成する際は、以下の4つのAMIから目的や条件に応じて選択することができます。ここでは、それぞれのAMIの特徴を説明します。
クイックスタートAMI
まず、1つ目は、クイックスタートAMIです。
クイックスタートAMIは、AWSが提供しているOSの中から選択して利用することができる無料のAMIです。
AWS AMIでは、以下の7つのOSから選択することができます。
・Windows
・Amazon Linux
・Ubuntu
・Red Hat
・SUSE Linux
・macOS
・Debian
カスタムAMI
2つ目は、カスタムAMIです。
カスタムAMIは、ユーザー自身が作成したAMIです。既存のEC2インスタンスから作成することができ、社員用にカスタマイズしたEC2インスタンスを複数作成したい場合などに効率的に作成することができます。
また、カスタムAMIは、処理に応じて、EC2インスタンスの数を自動で増減するEC2 AutoScalingで使用することもできます。
※カスタムAMIに関する最新情報は公式ドキュメントを参照ください。
カスタム Windows AMI を作成する https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/WindowsGuide/Creating_EBSbacked_WinAMI.html
※EC2 Auto Scalingに関する最新情報は公式ドキュメントを参照ください。
Amazon EC2 Auto Scaling
https://aws.amazon.com/jp/ec2/autoscaling/
AWS Marketplace AMI
3つ目は、他の開発者が作成したAMIであるAWS Marketplace AMIです。
WordPressやSQLServerなどのアプリケーションが事前にインストールされているAMIなどがありますが、開発者に対して利用料金が発生するため、注意が必要です。
コミュニティ AMI
最後は、他のユーザーが作成したコミュニティ AMIです。
AMIの共有設定を有効にすると表示され、AWS Marketplace AMIとは違い、AWSの審査を受けておらず、利用は自己責任になります。
※コミュニティ AMIに関する最新情報は公式ドキュメントを参照ください。
AMI の公開
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/UserGuide/sharingamis-intro.html
AWS AMI (Amazon マシンイメージ) のメリット
これまで説明した内容をまとめると、AWS AMIを利用することによって、以下のようなメリットを得ることができます。
EC2インスタンスのバックアップが簡単にできる
まず、1つ目は、EC2インスタンスのバックアップが簡単にできることです。
AWS AMIによるEC2インスタンスのバックアップによって、万が一の障害発生時などには素早くバックアップから復旧することができます。
EC2インスタンスの作成が簡単にできる
2つ目は、EC2インスタンスの作成が簡単にできることです。
本番環境、開発環境、検証環境など複数の目的に応じた環境用にEC2インスタンスを作成する際もAWS AMIを利用することで、EC2インスタンス作成工数やコストを削減することができます。
EC2インスタンスのランニングコスト削減ができる
最後は、EC2インスタンスのランニングコスト削減ができることです。
24時間365日稼働する必要がないEC2インスタンスの場合、AWS AMIを取得し、インスタンス自体は削除することで、余計なコストが発生せず、ランニングコストを削減することができます。
AWS AMI (Amazon マシンイメージ) のデメリット
AWS AMIの利用自体には、料金は発生しませんが、AWS AMIがEBSストレージの保存データからインスタンスを起動し、AWS AMIの作成によってEBSスナップショットが自動的に作成されるため、AWS AMI作成と同時に作成されるスナップショットは、AWS S3領域に保存されるため、S3料金が発生します。
しかし、AWS AMIを削除したとしても、スナップショットは自動削除されないため、不要なスナップショットは、随時削除する必要があります。
AWS AMI (Amazon マシンイメージ) の料金体系
前述の通り、AWS AMIの利用料金は基本的に無料ですが、以下の料金が発生する場合があります。
・AWS EBSのスナップショット料金:AWS S3に保存されるAWS EBSのスナップショットの料金
・AWS Marketplace AMI利用料:AWS Marketplace AMIを利用する際の料金
※Amazon EBS の料金に関する最新情報は公式ドキュメントを参照ください。
Amazon RDS の料金
https://aws.amazon.com/jp/ebs/pricing/
※AWS Marketplace AMIに関する最新情報は公式ドキュメントを参照ください。
有料 AMI
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/UserGuide/paid-amis.html
まとめ
AWS AMIの概要やメリット、料金体系などをご紹介しました。
本番/開発/検証環境など複数のEC2インスタンスを利用・運用中の情報システム担当者の方で、
「毎回初期設定するのが大変」
「簡単に環境を複製したい」
といった方は、AWS AMIの導入・利用を検討してはいかがでしょうか。
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