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AWS Outpostsとは?概要やユースケース、利用時の注意事項について

みなさまは、”ハイブリッドクラウド”という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
「初めて聞いた!」という方や
「AWSやAzureのクラウドサービスと何かを組み合わせて利用すること?」
といった方も多いのではないでしょうか。

AWSやAzureなどのクラウドサービスのサーバーは、東京や大阪のデータセンターに分散して配置されており、非常に大規模で高いセキュリティで稼働している一方で、物理的に離れている地域で利用する際は、どうしても遅延が発生してしまいます。

では、クラウドサービスのサーバーをデータセンターではなく、自社内で利用できたらどうでしょうか?
自社のセキュリティに則り、基幹システムや生産・販売システムを運用したり、工場などの生産ラインとのリアルタイム性を確保することができますね!

本記事では、「AWS Outposts」について、概要やユースケース、注意事項、料金体系などを解説いたします。

目次

AWS Outposts とは

AWS Outpostsを一言で表すと、オンプレミスバージョンのAWSです。
AWS Outpostsは、2019年に提供開始されたサービスで、前述の通り、自社のデータセンターや拠点の中にAWSのラックやサーバーを配置してAWSのサービスを自社のオンプレミスサーバーのように拡張して利用できるサービスです。

そのため、データをクラウド上に保存しない、といったセキュリティ要件が高い場合や、工場などの生産ラインとのリアルタイム性が求められる場合などでもAWS Outpostsを利用することで、AWSのサービスを利用することができるようになります。

また、AWS Outpostsで利用するラックやサーバーは、ハードウェアも含めて、AWS側が管理してくれるため、サーバー管理のための時間や人材、メンテナンスなどの工数を削減することもできます。

なお、ソフトウェアアップデートやパッチ適用などは、AWSマネジメントコンソールから実行・確認することができます。

AWS Outposts利用のユースケース

AWS Outpostsの概要を理解したところで、AWS Outpostsを実際に利用する際のユースケースをご紹介します。
AWS Outpostsの主なユースケースは、以下の3パターンです。

リアルタイム性(超低レイテンシー接続)が求められる場合

まず1つ目は、リアルタイム性(超低レイテンシー接続)が求められる場合です。
工場などの生産ラインや高度医療を提供している病院内のシステムなどリアルタイム性が高い通信が求められる場合、データセンターとの物理的な距離が離れている場合、遅延が発生することがあります。

ただ、そのような場合にAWS Outpostsを利用するすることで超低レイテンシー接続を実現することができます。

災害リスクを分散させたい場合

2つ目は、災害リスクを分散させたい場合です。
日本では、AWSのデータセンターは、東京と大阪にしかありませんが、自社データセンターにAWS Outpostsのを配置し、AWSデータセンターと冗長化することで災害リスクを分散することができます。

万が一、東京や大阪で災害が発生した場合でも、遠隔地の工場の稼働を止めることなく稼働させることができます。

セキュリティ要件(データレジデンシー)が厳しい場合

最後は、セキュリティ要件(データレジデンシー)が厳しい場合です。
データレジデンシーとは、「データの保管場所」という意味ですが、企業のセキュリティ要件によっては、「クラウド上へのデータ保管ができない」場合もあるかと思います。

そういった場合でも、AWS Outpostsを利用することで、自社データセンターにデータを保管し、かつAWSのサービスも利用することができます。

AWS Outposts利用時の注意事項

前述の通り、今まで自社のセキュリティ要件が高いなどの理由により、AWSサービスが利用できなかった場合でも
AWSサービスが利用することができるようになるAWS Outpostsですが、注意事項もあります。
主に実機のサーバー管理上の注意事項となりますが、以下の2点が注意事項です。

物理的なセキュリティの担保が必要

まず1つ目は、物理的なセキュリティの担保が必要なことです。
AWS Outposts利用時には、ハードウェアも含めて、AWS側が管理してくれますが、サーバーやラック周辺のセキュリティやアクセス制御、電力に関する責任はユーザー側で担保する必要があります。
また、AWS Outpostsラックを利用する場合は、42Uラックを置くための空間(寸法 80インチ×24インチ×48インチ)や必要とされる電源(5~15 kVA)、
ネットワーク環境(1/10/40/100 Gbps のアップリンクのサポート)を用意する必要があります。

※AWS Outpostsラック/サーバーの特徴、必要要件の詳細は公式ドキュメントを参照ください。
AWS Outposts ファミリー
https://aws.amazon.com/jp/outposts/

AWSリージョンへのネットワーク接続が必要

2つ目は、AWSリージョンへのネットワーク接続が必要なことです。
AWS Outpostsは、AWSリージョンへの接続が必須であり、非接続状態での運用や、接続が全くない環境での運用向けに設計されていないため、AWSリージョンへのネットワーク接続が必要となります。

また、AWSリージョンとAWS Outposts間の接続回線は、AWS Direct Connectを用いた専用線接続、もしくは、VPNを用いたインターネット経由接続のどちらかを選択することができますが、
高可用性を担保できるAWS Direct Connectを用いた専用接続をユーザー側で用意することが必要となります。

AWS Outposts の料金体系

AWS Outpostsの料金は、ラックの場合は、EC2インスタンスタイプ、EBSボリューム、S3の組み合わせたラック設定、サーバーの場合は、インスタンスタイプによって料金が決まります。
基本的に、3年契約の月額払いとなっており、全額前払い、一部前払い、前払いなしによって、月額料金が変動しますが、
リージョンや構成によっても変わる複雑な料金体系となっていますので、詳細は公式サイトを参照ください。

※AWS Outposts の料金に関する最新情報は公式サイトを参照ください。
AWS Outposts ラックの料金
https://aws.amazon.com/jp/outposts/rack/pricing
AWS Outposts サーバーの料金 
https://aws.amazon.com/jp/outposts/servers/pricing

まとめ

AWSが提供する自社のデータセンターや拠点の中にAWSのラック/サーバーを配置してAWSクラウドサービスと同じように使うことができる「AWS Outposts」の概要やユースケース、注意事項、料金体系などをご紹介しました。

セキュリティ要件の高い、もしくは、リアルタイム性が高いアプリケーションを運用・構築予定中の情報システム担当者の方で、
「AWSのサービスを利用したい」
「物理的なメンテナンスも依頼したい」
といった方は、AWS Outpostsの導入・利用を検討してはいかがでしょうか。

株式会社KUIXではAWSを用いたシステムの開発やコンサルティングを行っています。本格的なAWS環境の構築・導入をご検討される際は、ぜひ一度ご連絡ください!お問い合わせはこちらから

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