現代ビジネスにおいて、データは最も貴重な資源の一つとなっており、企業の競争力を高めるためには、これらのデータを効果的に統合し活用することが不可欠です。
ではデータを活用するためにはまず何をする必要があるのでしょうか?
答えはデータの収集と蓄積で、データを活用する前にまずデータを蓄積しなければ何も始められません。
今回はデータの収集と蓄積が簡単に実現できるツール「Azure Data Factory」について、特徴や利点を詳しく解説していきます。
Azure Data Factoryとは
Azure Data Factoryは、マイクロソフトが提供するAzureのサービスの一つでETL、ELTと呼ばれるツールの1つです。
プログラムなどのコーディングなしに画面操作だけで様々なデータソースをスムーズに結合し、効率的なデータの蓄積と統合を実現することが出来ます。以下でETLやELTなどの言葉について解説していきます。
ETLとは
ETL(Extract, Transform, Load)とは、様々なデータソースからデータを連携する機能のことを指します。一般的なETLツールは様々なデータソース(データベース、クラウドサービス、ファイルなど)からデータを抽出し、次に必要な形式に変換して最後に別の場所に任意の形で保存する事ができます。
このツールによって、複数のデータソースからデータを抽出、統合し、統合データベースを構築することが出来ます。
ETLとELTの違い
ETLとELT(Extract, Load, Transform)は似たようなプロセスですが、変換のタイミングが異なります。ETLは抽出後に変換を行いますが、ELTは抽出後にデータをロードしてから変換を行います。昔はハードウェアの容量にも制約があったため、データを保存する前に明細データを集約するような変換処理を行ってから保存をしていました。
したがってLoadのまえにTransformが来ることが一般的でした。ただ、昨今ではそのような成約が少なくなってきたため、一度全件データをLoadした上で抽出した先でTransformする、という手法に変わりつつあります。従い、ETLからELTという言葉に変わってきている、という流れがあります。Azure Data Factoryはどちらの手法もサポートし、柔軟なデータ処理を実現することが出来ます。
ETLの必要性
データ活用を考えるに当たり、前述の通り事前のデータ抽出と蓄積は必須です。また、システムデータなどは基本的に分析するための整形がなされていないケースが殆どです。(例:マスタとトランザクションデータが分離しているなど)。
そのため、分析する前に分析するための形にデータを整形する必要もあります。また、異なるデータソースからのデータを一つにまとめるためにも、前述の抽出、蓄積、整形を効率的に行うデータ変換プロセスが必要です。これらの作業を手動で行うと時間がかかり、エラーのリスクも高まります。そのため、データ活用においては基本的に自動化されたETLプロセスが必須となるのです。
SSISとの違い
Azure Data Factoryはクラウドのサービスですが同様のマイクロソフトのオンプレミスのツールでSSIS(SQL Server Integration Services)というETLツールがありました。
SSISと比較して、Azure Data Factoryはクラウド環境に特化しており、拡張性や大規模なデータ処理にも適しているのが特徴です。
Azure Data Factoryの主な機能
それでは具体的にAzure Data Factoryの主な機能を見ていきましょう。
複数のデータソースとの接続
Azure Data Factoryは、さまざまなデータソースとシームレスに接続できます。本来であればデータソースにつなぐ際は、対抗のデータソースに接続するためのコネクタを設定または開発していく必要がありますが、Azure Data Factoryの場合は事前に準備されているのでその手間がなくなる、というメリットがあります。
データベース、クラウドストレージ、オンプレミスデータなど、あらゆるデータを一元管理できます。サポートされている接続先は以下に記載されています。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/data-factory/connector-overview#supported-data-stores
データの収集が非常に簡単
接続先と繋いだ後、データの抽出とコピーをノーコーディングで行えるため、手間をかけることなくデータ収集が可能です。直感的な操作画面を通じて、データ収集の設定ができます。
データの変換・加工がノンコーディングで可能
データ変換や加工作業も、プログラミングの知識がなくても実行可能です。視覚的なインターフェースを使用して、データのクレンジングや変換ルールの設定ができます。
スケジュールの設定が可能
データ処理のスケジュールを設定し、自動化することができます。定期的なデータ更新やバッチ処理を簡単に行うことができます。
実行状況のモニタリングが可能
モニタリングダッシュボードを通じて、データパイプラインの実行状況をリアルタイムで監視できます。障害が発生した場合にはアラート通知も行われるため、運用管理が円滑に行えます。
Azure Data Factoryの料金体系
Azure Data Factoryの詳細な料金体系については、公式ウェブサイトをご確認ください。利用プランや処理量に応じて異なるため、事前に料金情報を把握しておくことが重要です。
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おわりに
Azure Data Factoryは、その高度な機能と使いやすさにより、データインテグレーションの課題を効果的に解決するツールです。異なるデータソースの統合や自動化された処理を通じて、効率的なデータ活用が可能となります。ビジネスの競争力向上に向けて、ぜひAzure Data Factoryを活用してみましょう。
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