今回は前回に引き続いて最近話題のChat GPT(チャット ジーピーティー)関連の話題を紹介いたします。Chat GPTのベースになっており、さらに最近リリースされて話題になっているGPT-4(ジーピーティーフォー)についてです!
GPT-4は前バージョンであるGPT-3よりも大幅に機能アップしており、より完璧になったその精度は世界にさらなる衝撃を与えています。本記事で具体的にどういうものなのか?を是非理解してみてください!Chat GPTに関してはこちらの記事をご参照ください。
GPT-4の概要
GPT-4は、オープンAIというアメリカの団体が開発した最先端の人工知能技術で、自然言語の処理に特化したAIです。GPTシリーズはGPT-3を経て、さらに進化しました。AIモデルの規模は3より大幅に増え、その性能は驚異的なレベルに達しています。これにより、GPT-4は幅広い応用分野で革新的な成果を生み出しています。
GPT-4の特徴
それでは、GPT-4の特徴をいくつか挙げていきます。
自己回帰モデル
GPT-4は自己回帰モデルと呼ばれるタイプのAIモデルであり、過去の情報を使って次に来るべき情報を予測する能力を持っています。つまり過去の大規模なテキストデータを学習し、質問に対して最初の言葉→次に来る可能性の高い言葉、という順に最適な言葉を選択して表示しているイメージです。この性質により、文章生成や翻訳などのタスクに適しています。
トランスフォーマーモデル
GPT-4は、トランスフォーマーモデルという技術を採用しています。トランフォーマーモデルはコンピュータが言語処理をすることに特化した特別な方法で、簡単に言うと我々が話す言葉を数学のような形に置き換えてコンピュータに理解させています。例えば一つの文章に出てくる単語の関係性を数値化したり、文章の中のどの単語に注目すべきか?を数値化したりできます。これにより、GPT-4は自然な文章の生成ができるのです。
学習データとプリトレーニング
GPT-4は、インターネット上の大規模なテキストデータを学習しています。そのデータセットは、ウィキペディアやニュース記事、書籍、Webページなど幅広い分野から取得されており、その知識は2021年9月までのものとなっています。また、GPT-4はプリトレーニングとファインチューニングの二段階の学習プロセスを経ています。プリトレーニングでは、大量のデータを使って言語モデルを学習しており、ファインチューニングでは特定の要件に適応するために追加のデータを利用して学習を行います。例えば特定の企業で自社のマニュアルの内容などをファインチューニングで学習させることでGPT-4に自社のマニュアルに対しても回答させることが出来るのです。
GPT-4の応用事例
ではここからは実際にGPT-4がどのような分野で応用されているのかを見ていきましょう。
文章の生成・添削
GPT-4は、与えられた入力に基づいて文書を生成する能力を持っています。たとえば「部下の結婚式のスピーチ考えて」とお願いするとそれに沿った文章を考えてくれます。直近では入社式の挨拶を社長がChat GPTに考えてもらった、というのが記事になっていました。この機能は、ブログ記事やニュース記事、小説、詩などの創作活動に利用が進んできています。果たしてこれを創作というのか?は議論の余地がありそうですね。
また、自分が書いた文章を入れると添削もしてくれます。どこがおかしいか、なども的確に帰ってきますので他言語を学ぶ際の添削などに活用できます。
機械翻訳
GPT-4は、高い精度で機械翻訳を行うことができます。その性能は、従来の翻訳システムを上回ることが多く、多言語間のコミュニケーションを助ける強力なツールとなっています。この技術を応用すれば外国の人材とのコミュニケーションなどが闊達化し、リモートでの海外人材の採用なども進むのではと思います。
質問応答システム
GPT-4を利用した質問応答システムは、ユーザーからの質問に対して適切な回答を生成することができます。これにより、カスタマーサポートや知識ベースの構築など、さまざまなビジネスシーンでの活用が期待されています。前述のファインチューニングにより、自社のマニュアルやルールなどを読み込ませればカスタマーサポートにかけるコストを大幅に削減できる可能性を秘めております。
自動要約
GPT-4は、与えられたテキストの内容を短く要約する能力も持っています。これにより、長い文書や記事を効率的に理解することができます。ビジネスシーンで資料の要約などはよく行われていますので、これらの作業を効率化するのにはとても重宝します。
自動プログラミング
GPT-4にプログラムを書いてもらうことも可能です。例えばとあるクラウドサービスのAPIを使ってデータを取得するプログラム書いて、などと具体的にお願いするとそのソースコードが返ってくるのです。直近ではGPT-4だけでパックマンを1.5時間で開発したという事例も出てきています。今後プログラミングやシステム開発の効率は大幅に上がるのでは?と思われます。
GPT4の力
具体的なGPT4の能力値として米国の各種試験などの結果がこちらの論文にまとめられています。米国司法試験の問題に関しては受験者の上位10%のスコアであり、前バージョンの3.5は下位10%のスコアだったため大幅に機能Upがなされています。一方で数学系の試験は弱いようです。ここはGPT-4の弱点として知られており、改良が進められているそうです。
GPT-4ってどうやって使うの?
Chat GPTで有償オプションのChata GPT Plus(20ドル/月)にするとChat GPT上でGPT-4を選択できるようになります。ただし現状時間当たりの質問上限などにキャップがかかっています。有償オプションに申し込む場合は(https://openai.com/blog/chatgpt)こちらのサイトから登録しましょう。
また、APIとしても利用可能です。APIは従量課金制となっており、問い合わせた文章のボリュームで料金が決まります。またAiの精度によっても値段が分かれています。感覚的には2-3百文字の質問を1000回投げると最も性能がよい契約で20ドル程度です。かなり安いと思います。
GPT-4と倫理的な問題
このような人間と遜色のないGPT-4の高い生成能力には、デマやフェイクニュースの拡散、悪意あるコンテンツの作成など、倫理的な問題が伴います。実際に企業で活用していくにあたってはこれらのリスクに対処するために、適切なガイドラインや制約を設ける必要があります。また、AI技術の透明性やプライバシーの確保も重要な課題です。
GPT-4は、言語処理の分野において驚異的な性能を発揮し、テキスト生成、機械翻訳、質問応答システム、自動要約など、多岐にわたる応用事例が出てきています。しかし、その高い能力が悪用されることによる倫理的な問題も懸念されています。
今後、GPT-4の技術はさらなる進化が期待されており、より高度なタスクへの適用や、他のAI技術との統合によって、新たな価値を生み出すことでしょう。その一方で、開発者や利用者は、倫理的な問題に十分注意を払い、適切なガイドラインや制約を設けることが求められます。ここが普及にあたってとても難しいポイントかもしれません。もし自社で活用を考えているのであれば世の中の最新動向を確認しつつ適切な利用をして頂ければと思います。
おわりに
今回は、最近話題のChatGPTの裏側のGPT-4についてご紹介させて頂きました。今後GPT-5、GPT-6などどんどんバージョンアップが進み、今では考えられないような技術やサービスが出てくることが考えられ、世の中を大幅に変える技術と言われています。
株式会社KUIXでは引き続きGPT-4 の動向を見つつお客様に対してのご提供も考えていきたいと考えております。GPT-4の活用をご検討の方はぜひご連絡いただければと思います。お問い合わせはこちらから
