MENU
Archives

MDRとは?注目のセキュリティサービスについて基礎知識や関連サービスを解説!

情報セキュリティの世界は日々進化しています。新たな脅威が現れ、それに対抗する新たな対策が必要となるのがこの領域の特徴です。

その中で注目されているのがMDR(Managed Detection and Response)というサービスです。

この記事では、MDRとは何か、その基本的な役割や重要性、主な機能、そしてこれまでのセキュリティ対策との違いなどを解説します。

目次

MDRとは

MDRはManaged Detection and Responseの略称で、サイバーセキュリティの脅威を検知し、対応するためのサービスを指します。ITインフラのログデータやネットワークトラフィックを24時間体制で監視し、異常を検知した際には即座に対応を開始します。

MDRの基本的な役割と重要性

MDRの最も基本的な役割は、組織のITインフラに対するサイバーセキュリティ脅威を検知し、これに対応することです。サイバー攻撃の手口は日々巧妙化しており、組織のIT担当者がこれに対応するのは難しい状況です。そのような中、MDRサービスは専門的な知識を持つセキュリティエキスパートが24時間365日で監視を行い、脅威に対する即座の対応を可能にします。

MDRの主な機能

MDRの主な機能は、脅威の検知と対応、そしてこれらの報告です。まず、MDRはネットワークの通信やシステムのログを監視し、脅威の兆候を検知します。そして、脅威が発見された場合には、適切な対応策を講じます。これは、システムを隔離する、マルウェアを削除する、攻撃者のアクセスを遮断するなどの対応が含まれます。

MDRとこれまでのセキュリティ対策との違い

MDRと従来からあるセキュリティ対策との大きな違いは、対応の迅速性と専門性です。従来のセキュリティ対策では、主に既知の脅威に対する防御が中心でした。しかし、MDRは未知の脅威に対しても検知し、対応することが可能です。また、24時間体制で監視を行い、必要に応じて即座に専門家が対応します。

MDRと類似サービスとの違い

MDRはその有効性から多くの組織で導入が進んでいますが、他の類似のサービスと何が違うのでしょうか。ここでは、MDRとよく比較されるSOC、MSS、EDR、XDRとの違いを解説します。

SOCとの違い

SOC(Security Operations Center)は、組織内に配置される情報セキュリティ対策のための専門組織で、セキュリティインシデントの監視や対応を行います。SOCは専門的な知識と経験を持つスタッフにより構成され、高度なセキュリティ対策を提供します。

MDRサービスはSOCと同様に24/7の監視と脅威対応を提供しますが、通常、外部の専門業者が提供するサービスで、脅威検知から対応までを一貫して担当します。
また、SOCでは組織が選択したセキュリティテクノロジーを使用して運営されますが、MDRはMDRプロバイダーが選択したテクノロジーを使用します。

MSSとの違い

MSS(Managed Security Services)は、セキュリティ機能を外部の専門業者が管理し、提供するサービスです。MSSは一般的に、防火壁や侵入検知システム(IDS)などの設定や管理、セキュリティインシデントの監視とレポーティングを含みます。

MDRとMSSの大きな違いは、対応範囲とアクティブな対応の有無です。MSSはセキュリティ機器の管理とインシデントの報告を行いますが、具体的な対応策を提供することは少ないです。一方、MDRは具体的な脅威への対応策を提供し、場合によっては対応を実行するまでを含むため、より包括的なサービスと言えます。

EDRとの違い

EDR(Endpoint Detection and Response)は、エンドポイント(PCやサーバーなど)での脅威を検知し、それに対する対応を行う技術です。EDRは脅威の早期検知と高度な分析能力を提供します。

一方、MDRはEDRの機能に加え、人間の専門家による24/7の監視や対応を含みます。また、EDRがエンドポイントに特化しているのに対し、MDRはエンドポイントだけでなくネットワークやクラウド環境などもカバーします。

XDRとの違い

XDR(Extended Detection and Response)は、複数のセキュリティ層(エンドポイント、ネットワーク、メール、クラウドなど)を統合し、自動化された脅威検知と対応を提供する新たなアプローチです。XDRはシームレスなセキュリティ操作を可能にします。

一方、MDRはXDRのアプローチを包含する可能性があり、複数のセキュリティ層にわたる脅威検知と対応を提供します。しかし、MDRの強みは人間の専門家による対応と洞察力であり、これがAIや自動化だけでは達成できない価値を提供します。

MDRの2つのサービスタイプ

MDRのサービスは大きく分けて2つのタイプがあります。それぞれについて詳しく解説します。

セミマネージド型MDR

セミマネージド型MDRは、一部の作業を組織内部で行いつつ、一部を外部のサービスプロバイダに委託する形態のMDRサービスです。具体的には、組織内部での監視と初期の脅威検知を行い、それに続く詳細な分析や対応をMDRサービスプロバイダに任せるという運用が考えられます。このタイプのMDRは、自社でのセキュリティ対策を一部自己管理したい、しかし専門的な知識やリソースが不足している組織に適しています。

フルマネージド型MDR

フルマネージド型MDRは、セキュリティ対策の全てを外部のサービスプロバイダに委託する形態のMDRサービスです。脅威の検知から分析、対応までの全プロセスをMDRサービスプロバイダが担当します。このタイプのMDRは、セキュリティ対策の専門知識やリソースが極めて限られている、またはそれを自社で管理する余裕がない組織に適しています。

MDRの導入によるメリット

MDRを導入することで、組織は以下のような多くのメリットを享受することができます。

常時(24/7)の監視体制

MDRサービスは24時間365日、組織のネットワークを監視し、脅威を検知します。これにより、時間帯や曜日に関係なく、常に最高レベルのセキュリティが保たれます。特に、深夜や休日に発生する脅威に対して迅速に対応することができ、組織の情報資産を保護することができます。

専門的なエキスパートチームによるサポート

MDRサービスを提供するのは、セキュリティの専門家で構成されたチームです。彼らは最新の脅威情報を把握し、それに対する適切な対策を短時間で立案し、実施することができます。この専門的なサポートにより、組織は自社のリソースを他の重要な業務に集中することができます。

リアルタイムでの脅威対応

MDRサービスは、リアルタイムでの脅威対応を可能にします。これにより、脅威が発生したときでもすぐに対策を実施することができ、情報資産の損失やダウンタイムを最小限に抑えることができます。

コストを下げることができる

自社でセキュリティ部門を設け、専門的なスタッフを雇用することは高額なコストが発生します。しかし、MDRを導入すれば、それらのコストを大幅に削減することが可能です。また、万が一のセキュリティインシデントが発生したときの損失も防ぐことができます。

MDR導入時に考慮すべきデメリット

MDRは多くのメリットを持っていますが、それを導入する際にはいくつかのデメリットも考慮する必要があります。

プライバシー問題とその対策

MDRサービスは、組織のネットワーク内の情報を外部のサービスプロバイダに提供する必要があります。これにはプライバシーやデータ保護の問題が伴います。この問題を解決するためには、MDRサービスプロバイダとの間で適切な契約を結ぶとともに、サービスプロバイダが適切なデータ保護を行っていることを確認することが必要です。

組織のニーズに応じたカスタマイズが難しい

MDRサービスは一般的なセキュリティ対策を提供しますが、組織の特定のニーズに合わせてサービスをカスタマイズすることは困難な場合があります。これを解決するためには、導入前に組織のセキュリティ要件を明確にし、それに合ったサービスを提供できるMDRサービスプロバイダを選定することが必要です。

コミュニケーションの齟齬がリスクになり得る

MDRサービスを効果的に活用するためには、組織内部とサービスプロバイダとの間で密接なコミュニケーションと協調作業が必要です。これには、脅威情報の共有や対策の連携、さらには意思決定のプロセスにおける協調作業が含まれます。このようなコミュニケーションや協調作業を円滑に行うためには、組織内部で適切な体制を整える必要があります。

MDRを導入する際の注意点

MDRを導入する際には以下の点に注意を払う必要があります。

セキュリティ要件を理解しておく

まず最初に、自組織のセキュリティ要件を理解し、明確化しておくことが重要です。具体的には、どのような脅威に対して保護を求めているのか、どのようなデータを保護する必要があるのか、どの程度のセキュリティレベルを求めているのか、等を明確にしておくことが求められます。これにより、自組織に適したMDRサービスを選定することが可能となります。

MDRサービスプロバイダの評価

MDRサービスを提供するプロバイダの選定も重要なポイントです。プロバイダの技術力はもちろん、サポート体制、評判、信頼性などを評価することが必要です。また、サービスの内容をしっかりと理解し、自組織の要件と比較することも忘れてはなりません。

プライバシーとデータ保護

MDRサービスの利用には、組織の重要なデータを外部のサービスプロバイダに提供することが伴います。そのため、プライバシーやデータ保護について十分な配慮が必要です。プロバイダがどのようなデータ保護方針を持っているのか、また、契約内容にデータ保護に関する条項が含まれているのか等を確認しましょう。

これらの注意点を踏まえ、MDRの導入によりセキュリティ対策を一層強化することをお勧めします。

まとめ

MDRは、組織の情報セキュリティ対策を強化するための重要な手段となり得ます。その導入には、組織のセキュリティ要件の理解、MDRサービスプロバイダの適切な選定、プライバシーとデータ保護の配慮といった注意点が伴います。MDRの導入を検討している方は、これらの点を念頭に置きつつ、最適なサービスを選定することをお勧めします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

企業のICT環境、情報システムでお悩みの方へ

株式会社KUIXでは、クラウドサービスやICTサービスに関すること、情報システム部門のサポートを総合的に行っております。
DX推進やBIツールの導入・活用におけるコンサルテーションも行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください!お問い合わせはこちらから

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次