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Google Cloud VPNとは?基本情報から種類、料金まですべて解説!

ITインフラやセキュリティに携わる方なら、VPN(Virtual Private Network)の重要性をご存知でしょう。

多くのVPNサービスが存在する中、Google Cloud Platform(GCP)が提供する「Google Cloud VPN」はどんな特徴があるのでしょうか。

この記事では、ビジネスやプロジェクトの安全なネットワーク接続を求める方々のために、Google Cloud VPNについて解説します。

VPNの導入や選定を検討している方、特にGCP環境でのセキュアな通信を確立したい方はぜひ最後までご覧ください。

目次

Google Cloud VPNとは?

そもそもVPNとは

Google Cloud VPNについてお話する前に、まずは基本的なVPNの知識について紹介します。

VPN(Virtual Private Network、仮想専用通信網)は、暗号化・トンネル化などによって、ネットワーク経由でやり取りする情報を不正に盗み見られないようにするための通信方法です。

「仮想」専用通信網というように、共用の回線を諸々の技術によって仮想的に独立した専用回線であるかのように扱います。
インターネット接続時の安全性を高められ、クラウドに接続する際やテレワーク時・Wi-Fi利用時などのセキュリティリスクを、手軽に抑えることができます。

Google Cloud VPNの概要

Google Cloud VPNは、Google Cloud Platform (GCP) のセキュリティサービスの一つとして提供されているVPNサービスです。このサービスを利用することで、オンプレミスのデータセンターや他のクラウド環境と、GCP上の仮想プライベートクラウド (VPC) 間にセキュアな通信チャンネルを確立することができます。

Cloud VPN は、IPsec VPN接続を使用してピアネットワークをVPC(Virtual Private Cloud)ネットワークに接続します。2 つのネットワーク間のトラフィックは、一方の VPN ゲートウェイで暗号化され、もう一方の VPN ゲートウェイで復号されます。これにより、インターネットでデータをやり取りする際もデータが保護されます。Cloud VPNの 2 つのインスタンスを相互に接続することもできます。

IPsec VPN…暗号化プロトコルを使用した仮想プライベートネットワーク。
VPC…クラウドコンピューティング環境内で仮想的に分離された環境。

Google Cloud VPNの種類

Google Cloud VPNのサービスは、要件やニーズに応じて2つの主要なタイプに分類されます。

HA VPN

HA VPNは、High Availability(高可用性) VPNの略称です。 「高可用性」をキーワードにしたVPNサービスであり、99.99%のSLAを持つ点が最大の特長です。

単一リージョン内の IPsec VPN 接続を使用することで、オンプレミスネットワークやIPsec VPN接続可能なクラウドサービスと、VPCネットワークとを安全に接続できます。

Classic VPN

Classic VPNは、GCPでのVPNサービスの初期の形態であり、シンプルな接続要件に対応しています。

単純な設定で簡単にセットアップできるため、特に小規模なネットワーク環境や設定が複雑でない場合に適しています。またHA VPNよりもコスト効率が良い場合があります。

それぞれのタイプについて解説をしていきます。

HA VPNとは

まずはHA VPNについてご紹介します。

HA VPNの特徴

HA VPNは、その名前からも分かるように、高可用性を最前面に押し出したサービスで99.99%のSLAを持つ点が最大の特長です。

高可用性と冗長性を備え、大規模で複雑なネットワーク環境において信頼性の高いVPN接続を提供します。特にクリティカルなアプリケーションや大規模なデータセンターとの接続を必要とする場合に適しています。

高可用性

HA VPNは高可用性を提供します。2つのVPNゲートウェイが同時にアクティブで、一方が障害を発生させてももう一方が引き継ぎ、ネットワーク接続を維持します。これにより、ネットワークの可用性が向上し、サービスの中断を最小限に抑えることができます。

冗長性

HA VPNは、冗長性のあるアーキテクチャを採用しています。2つのVPNゲートウェイが異なるリージョンに設置され、リージョン間で冗長性を提供します。また、2つのトンネルが自動的にバックアップとして構成されます。

ダイナミックルーティング

HA VPNはダイナミックルーティングをサポートし、BGP(Border Gateway Protocol)を使用して自動的にルーティング情報を交換します。これにより、ネットワークの柔軟性が向上し、自動的なトラフィックルーティングが可能となります。

スケーラビリティ

HA VPNは大規模なネットワーク環境に対応できるよう設計されており、最大2,000本のVPNトンネルをサポートします。これにより、多数のリモートサイトやクラウドリソースとの接続を効率的に管理できます。

シンプルな管理

HA VPNはGCPのコンソールから簡単に設定および管理できます。VPN接続の監視やトラフィックの制御も直感的に行えます。

Classic VPNとは

続いて、Classic VPNについてご紹介します。

Classic VPNの特徴

Classic VPNはシンプルな設定でのVPNを提供し、小規模なネットワーク環境で使用するのに適しています。

ただし、高可用性や冗長性が必要なプロジェクトや大規模なネットワークには、HA VPNなどのより高度なオプションを選ぶ必要が出てくることもあります。

シンプルなセットアップ

Classic VPNは設定は比較的シンプルで、小規模なネットワーク環境に適しています。クイックスタートガイドを使用して、VPN接続を迅速に構築できます。

静的ルーティング

Classic VPNは静的ルーティングを使用します。ルーティング情報は手動で設定する必要があります。簡単なネットワーク環境での使用に適していますが、大規模で複雑なネットワークには制限があります。

トンネル数が1つしかない

Classic VPNは通常、1つのトンネルしかサポートしません。単一の接続経路しか提供しないため、冗長性が不足しています。ただし、複数のClassic VPN接続を設定することで、冗長性を一部確保することは可能です。

Google Cloud VPNの料金体系

Google Cloud VPNの料金体系は、使用するサービスや構成によって異なります。以下は一般的な要因と料金体系に関する情報ですが、詳細な料金情報はGCPの公式ウェブサイトで確認することをお勧めします。

VPNゲートウェイの料金

VPNゲートウェイの料金は、選択したゲートウェイのタイプ(HA VPNゲートウェイ、Classic VPNゲートウェイ)、リージョン、およびゲートウェイの帯域幅によって異なります。

トンネルの料金

VPN接続に使用されるトンネルごとに料金がかかります。トンネルの数が増えると、料金も増加します。

通信トラフィックの料金

VPNを介したデータの送信および受信に対して通信トラフィック料金が適用されます。送受信データの量に応じて料金が請求されます。通信トラフィックは送信元のリージョンと送信先のリージョンによっても料金が異なることがあります。

リージョンによる料金

GCPの各リージョンにおける料金が異なります。VPNゲートウェイのリージョンやデータ転送のリージョンによって料金が変動します。

インターネットゲートウェイの通信料金

VPN接続を介してインターネットにアクセスする場合、インターネットゲートウェイを使用する料金も発生します。

まとめ

Google Cloud VPNは、さまざまなニーズや要件に応じたVPNソリューションを提供しています。

各企業やプロジェクトの具体的な要件や目的に応じて、最適なVPNタイプを選択することで、安全かつ効率的なクラウド利用を進めていきましょう。”

株式会社KUIXではGCPを用いたシステムの開発やコンサルティングを行っています。本格的なGCP環境の構築・導入をご検討される際は、ぜひ一度ご連絡ください!お問い合わせはこちらから

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