MENU
Archives

Anthosとは?主要な3つの機能とできることについて

PCやスマートフォンのソフトウェア更新
「いつのまにか更新されているから大丈夫!」
「時間もかかるし、ちゃんとできていない…」
という方も多いのではないでしょうか。

ご自身で使用しているPCやスマートフォンであれば、やる気になれば更新できますよね!
では、企業で利用しているPCやスマートフォン、サーバーやアプリケーションを管理するとなったらどうでしょう、、、?
さらにオンプレミスのみならずGCPやAWS、Azureで利用しているクラウドサービスも含めたらと考えるとゾッとしますよね。

アプリケーションの開発を行う上で、「開発・運用が必要なアプリケーションやソフトウェアの種類がどんどん増えて管理・開発コスト/工数が増大している…」
といったお悩みをお持ちで一元管理できるツールやサービスがないか。というシステム担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、GCP(Google Cloud Platform)が提供するハイブリッド/マルチクラウドのアプリケーションモダナイズする「Anthos」にフォーカスし、Anthosの概要や機能、料金体系を解説いたします。

目次

Anthos とは

Anthosを一言で表すと、ハイブリッド・マルチクラウド環境に対応したアプリケーション管理プラットフォームです。

もう少しわかりやすくすると、オンプレミス環境やクラウド環境では様々な種類のアプリケーションを稼働・公開することができますが、
通常、複数のサーバー上で稼働しているアプリケーションを管理するためには膨大な管理・開発コスト/工数が必要になります。

Anthosであれば、ハイブリッド・マルチクラウド環境のアプリケーションのセキュリティ監視などを一元管理することができるため、開発工数の削減や管理業務の効率化をすることができます。

なお、Anthosは、「Kubernetes」というアプリケーションを管理する仕組みを用いて、GCPサービスの1つとしてGKE(Google Kubernetes Engine)を提供していますが、セキュリティ監視以外にもトラフィックの管理やポリシー管理などアプリケーション環境のモダナイゼーション(老朽システムの刷新)に必要となる様々は機能を提供しています。

補足:ハイブリッド・マルチクラウド とは

クラウドサービスの利用形態には、組み合わせに応じて、大きくパブリッククラウド/プライベートクラウド/ハイブリッドクラウド/マルチクラウドの4つに分類されます。

それぞれの特徴は以下の通りです。なお、ハイブリッドクラウドとマルチクラウドは混合されがちですが、「パブリッククラウドとオンプレミスやプライベートクラウドと組み合わせて構成されているか」、または、「パブリッククラウドのみで構成されているか」という違いがあります。

・パブリッククラウド
共有領域のクラウド環境(GCP/AWS/Azureなど)

・プライベートクラウド
専用領域のクラウド環境(GCP/AWS/Azureなど)

・ハイブリッドクラウド
パブリッククラウド(GCP/AWS/Azureなど)とオンプレミス(プライベートクラウド含む)と組み合わせて構成されている環境

・マルチクラウド
複数のパブリッククラウド(GCP/AWS/Azureなど)を組み合わせて構成されている環境

補足:モダナイゼーション とは

モダナイゼーションは、組織の生産性やITインフラのセキュリティレベルを向上させることを目的に、古い技術やセキュリティ水準の業務システムやICTツールなどを最新のものへと置き換えることを意味します。

社内にある業務システムやICTツールを古い技術やセキュリティ水準のまま使用し続けると、時代の進展とともに向上する技術要件に、データの処理速度や機能が追いつかなくなる可能性もあります。また、企業の秘密情報を狙うサイバー攻撃も年とともに多様化・高度化するため、古い技術やセキュリティ水準システムでは重大なセキュリティトラブルに発展するケースも考えられます。

そのため、社内のITインフラ全体を見直し、古い技術やセキュリティ水準のシステムを刷新することで、生産性やセキュリティレベルの向上につなげることができます。

Anthos の機能

Anthosの概要は理解できましたでしょうか。ここからは、Anthosの主な機能を3つ解説いたします。

Anthos Cluster(Anthos GKE)

まず1つ目は、Anthos Cluster(Anthos GKE)です。
Anthos Clusterは、GKE(Google Kubernetes Engine)をオンプレミスやその他のAWSやAzureなどのクラウド上のKubernetesクラスタなど他の環境で利用することができる機能です。
なお、オンプレミス、AWS用に以下のソフトウェアを提供しています。

・Anthos GKE on-Prem
オンプレミス環境にGKEをインストールし、自社環境内で簡単にKubernetesクラスタを作成したり、管理したりすることができます。
 
・Anthos GKE on AWS
AWSにもKubernetesサービスであるElastic Kubernetes Service(EKS)がありますが、EKSを利用せずに、EC2インスタンスでGKEをインストールし利用することができます。

Anthos Config Management

2つ目は、Anthos Config Managementです。
Anthos Config Management(ACM)は、様々な環境のKubernetesクラスタに対して、一元的にポリシー管理を行うことができます。
なお、Config Syncと呼ばれる機能を用いて、ユーザはGit repositoryを変更するだけで、連動する各クラスタすべてに最適なポリシーを適用させることができます。

Anthos Service Mesh

3つめは、Anthos Service Meshです。
Anthos Service Mesh(ASM)は、マイクロサービスごとにプロキシを配置することで、マイクロサービスにおける可視性やセキュリティの課題、あるいはトラフィックコントロールの問題を解決する仕組みであるサービスメッシュにおけるオープンソースソフトウェアの代表格である「Istio」のフルマネージドサービスです。

アプリケーションのモダナイズには、マイクロサービス化が背景にある一方でマイクロサービスの複雑性が運用上の課題となりますが、Anthos Service Meshを利用することで、GCP側でトラフィックの管理やサービス間の通信セキュリティの監視を行うことで、運用上の負担を軽減することができます。

その他の機能

Anthosは、上記の3つの機能以外にも以下のような機能を提供しています。
これらの機能によって、ユーザは一貫性のある開発・運用環境を利用することができます。

・Cloud Run for Anthos:コンテナ環境をサーバレス環境として利用することができる機能
・Ingress for Anthos:クラスタ間の負荷分散機能
・Binary Authorization:クラスタイメージのセキュリティ管理機能

Anthos の料金体系

Anthosの料金体系には、時間もしくは月単位の従量課金と月単位でのサブスクリプション料金の2つの料金体系があります。

・従量課金制
 AnthosクラスタvCPUの数に基づいて、時間もしくは月単位で料金が発生します。
  パブリッククラウド Anthos(Google Cloud)の場合
   $0.01096/vCPU per hour もしくは、$8/vCPU
  オンプレミス Anthos(オンプレミス – VMware)の場合
   $0.03288/vCPU per hour もしくは、$24/vCPU

・サブスクリプション
  1か月あたり730時間として推定月額料金を算出し、月額利用料金を超過した場合は、従量課金制のレートで超過分の料金は発生します。
  パブリッククラウド Anthos(Google Cloud)の場合
   $6/vCPU
  オンプレミス Anthos(オンプレミス – VMware)の場合
   $18/vCPU

※Anthos の料金プランに関する最新情報は公式ドキュメントを参照ください。
Anthos の料金
https://cloud.google.com/anthos/pricing?hl=ja

まとめ

GCP(Google Cloud Platform)が提供するハイブリッド/マルチクラウドのアプリケーションモダナイズする「Anthos」について、概要や機能、料金体系は理解できましたでしょうか。
「開発・運用が必要なアプリケーションやソフトウェアの種類がどんどん増えて管理・開発コスト/工数が増大している・・・」
といったお悩みをお持ちの方で、すでにKubernetesをご利用中の方やもっと簡単に他のGCPサービス(Cloud Build、Container Registry、Audit Loggingなど)と連携したいと考えている方は、Anthosの導入・利用を検討してはいかがでしょうか。

KUIXではただ導入・開発するだけでなく、導入後の利活用を実現することに着眼して、GCP、AWS、Azureの選定・導入から運用、展開までの支援を行っております。お困りの方は、ぜひお気軽にご連絡ください!お問い合わせはこちらから

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次