みなさんは、プライベート/ビジネス問わずPCやスマートフォンを購入する際に何を重要視していますか?メーカーや値段、パフォーマンス、カメラ性能など重要視するポイントは多くあり、選択肢もたくさんありますよね。
PCやスマートフォン同様に、企業のWebサイトを運営するためのWebサーバーやメール送受信するためのメールサーバーなどに用いられるVirtual Machine(仮想マシン)にも、CPUスペックやストレージ容量など選択肢が多くあります。
Virtual Machine(仮想マシン)のメリットとして、CPUやストレージ容量を自由に拡張できることがありますが、当然、拡張すると料金も高くなってしまいます。そのため、用途や利用状況に応じて、適したVirtual Machine(仮想マシン)を利用することが重要です。
本記事では、Microsoft AzureやAWS、GCP、BIツールの活用に多くの知見がある株式会社KUIXがこれまでの経験をもとにMicrosoft Azureのサービスの1つであるAzure Virtual Machinesにフォーカスし、Azure Virtual Machinesの概要やメリット、料金体系を解説いたします。
Azure Virtual Machines とは
Azure Virtual Machinesとは、Microsoftが提供するクラウドプラットフォームサービスであるMicrosoft Azureの仮想マシンサービスです。
仮想サーバにOSやソフトウェアをインストールして利用でき、Windowsだけでなく、Linux系のOSも利用できます。仮想サーバにはリモートデスクトップやSSHでアクセスすることができます。
つまり、Azure Virtual Machinesは、Microsoft Azureが管理している世界各所に保有している物理サーバーを利用して、インターネット経由で利用できるVirtual Machine(仮想マシン)です。用途やメリット、料金体系については、後ほど説明します。
Microsoft Azureとは
前述の通り、Microsoft Azureは、Microsoftが提供するクラウドプラットフォームサービスです。
2008年10月にMicrosoft社のデベロッパーカンファレンスで発表され、2010年10月に「Windows Azure」としてサービス開始され、その後、2014年に「Microsoft Azure」にサービス名が変更され、2023年5月現在でも提供されているサービスです。(Microsoft Azureについての詳細は、こちらの記事で詳しく解説しています。)
Virtual Machine(仮想マシン)とは
ここで、Virtual Machine(仮想マシン)の概要について説明します。
一般的に、Virtual Machine(仮想マシン)は、物理的なサーバー(物理サーバー)などのハードウェア上に仮想的に構築されたコンピューターのことを言います。
Virtual Machine(仮想マシン)は、仮想的に構築されたコンピューターそれぞれは、物理サーバーから専用のCPU、メモリ、ストレージが割り当てられています。
そのため、同じ物理サーバー上に構築されたVirtual Machine(仮想マシン)であっても、CPU、メモリ、ストレージは独立しているため、他のVirtual Machine(仮想マシン)の稼働状況に影響はされません。
Azure Virtual Machines の用途
ここでは、Azure Virtual Machines問わず、主にアプリケーションなどの開発者向けの一般的なVirtual Machine(仮想マシン)の用途をいくつか説明します。
〇アプリケーション開発/改修/バージョンアップ用
アプリケーション開発を行う際は、通常、本番/開発/検証用などの複数の環境(Virtual Machine(仮想マシン))を用意します。
その際、1から環境を構築する必要はなく、実際に運用している本番環境をコピーして、開発環境としたり、障害発生時に障害が発生している環境をコピーし原因を調査したりすることができます。
〇OSバージョンアップ時の検証用
WindowsやLinuxなど、OSがバージョンアップした際にアプリケーションも正常に動作するかは、アプリケーションにとって重要です。
OSバージョンアップしたVirtual Machine(仮想マシン)を用意し、動作を確認することができます。
Azure Virtual Machines のメリット
前述の通り、同じ物理サーバー上に構築されたVirtual Machine(仮想マシン)であっても、CPU、メモリ、ストレージは独立しているため、他のVirtual Machine(仮想マシン)の稼働状況に影響はされません。
ハイパーバイザー(仮想マシンマネージャー)と呼ばれるソフトウェアでは、WindowsOS上でLinuxOSの仮想マシンを起動させたり、最新のWindowsOS上で旧バージョンのWindowsOSを動作させるなどの仮想マシン上で異なるOSを同時に起動することができます。
また、ハイパーバイザー上の仮想マシンは、別の物理サーバのハイパーバイザーにコピーすることもでき、次のようなメリットがあります。
コスト削減
1つの物理サーバから複数の仮想マシンを実行することで、本来は必要である各環境の物理的なサーバーの保守を行う必要性がなくなり、保守費用や電気代を節約することができ、利益を増加させることができます。
アジリティとスピード
仮想マシンの起動は、比較的簡単かつ高速であるため、開発者が利用する新しい環境も簡単に用意することができます。
そのため、仮想化により、開発およびテストのシナリオをより迅速に実行できるようになります。
ダウンタイムの短縮
仮想マシンは非常に移植性が高く、ハイパーバイザーから別の物理サーバ上のハイパーバイザーに簡単に移動することができるため万が一、ある物理サーバに障害は発生した際にバックアップを別の物理サーバに移植して、対応することもできます。
スケーラビリティ
仮想マシンを使用すると、物理的または仮想のサーバーを追加して複数のVM間にワークロードを分散させることで、アプリケーションをより簡単にスケーリングすることができます。その結果、アプリの可用性とパフォーマンスを向上させることができます。
セキュリティの向上
仮想マシンは複数のオペレーティング システムで動作するため、VM上でゲストオペレーティングシステムを使用することで、セキュリティに問題のある可能性があるアプリを実行することができ、ホストオペレーティング システムを保護することができます。
VMを使用すると、より優れたセキュリティフォレンジクスを実現することもできます。また、ホストコンピューターを危険にさらさないようにウイルスを隔離して、コンピューターウイルスを安全に調査するためによく使用されています。
Azure Virtual Machines の料金体系
ここからは、Azure Virtual Machines の料金体系を説明します。
従量課金
従量課金とは、Microsoft Azureの一般的な料金体系で、Azure Virtual Machinesを利用した分だけ料金を支払う料金体系です。
また、課金されるのは、分単位(秒切り捨て)の課金となり、停止している間は課金されません。
Azure Reserved Virtual Machine Instances(事前予約インスタンス)
事前予約インスタンスとは、予め利用する期間を定めた場合に割引が適用される料金体系です。
1年間もしくは、3年間を利用する期間として定めた場合、従量課金制の価格と比べて、最大72%の割引が適用されます。
後述のAzureハイブリッド特典と併用すると最大80%割引となります。
※詳細は、公式ページを参照ください。
Azure Reserved Virtual Machine Instances(https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/reserved-vm-instances/)
Azure ハイブリッド特典
Azureハイブリッド特典は、ソフトウェアアシュアランス(SA)と呼ばれる特典のひとつです。
オンプレミスからMicrosoft Azureへ移行する場合に適用される割引です。主に、オンプレミスから Azure へのシステム移行を行うプロジェクトで利用されます。
※詳細は、公式ページを参照ください。
Azure ハイブリッド特典(https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/hybrid-benefit/#overview)
Azure Spot Virtual Machines (スポット VM )
スポットVMとは、Microsoft Azure内で利用されていない領域を格安に利用できる変わりに、状況により途中でサービスが中断されるの能性もありますが、従量課金制の価格と比較して最大で90%の大幅割引が可能な料金体系です。
そのため、本番環境ではなく、動作確認などテストや時間の制約を気にしない処理・タスクを実行する場合に適しています。
※詳細は、公式ページを参照ください。
Azure Spot Virtual Machines(https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/virtual-machines/spot/)
開発/テスト
本番環境ではなく、開発/検証用環境としてAzure Virtual Machinesを利用する場合に、通常よりも安く利用できる料金体系です。
※詳細は、公式ページを参照ください。
Azure での開発とテスト(https://azure.microsoft.com/ja-jp/solutions/dev-test)
まとめ
クラウドサービスでVirtual Machinesの導入検討中の方は、Azure Virtual Machinesの利用を検討されてみてはいかがでしょうか。
また、Azure Virtual Machinesを導入済の企業のみなさまは、用途や利用状況に即して利用されているかどうか確認することは大切です。
株式会社KUIXではただ導入・開発するだけでなく、導入後の利活用を実現することに着眼した、Azure・GCP・AWS、データレイク・DWH・データマート、BIツールの選定・導入からレポート作成、運用、啓蒙・展開までトータルのコンサルテーションなどを行っています。お困りの方は、ぜひお気軽にご連絡ください!お問い合わせはこちらから