クラウドストレージと聞くと
「料金が高いイメージ」
「セキュリティが心配・・・」
「すぐに容量がいっぱいになりそう」
といったイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。
クラウドストレージは用途に応じてさまざまなサービスがありますが、代表的なサービスとしては、OneDrive、GoogleDrive、Box、Azure Storage、Amazon S3、Google Cloud Storageなどがあります。
本記事では、Microsoft AzureやAWS、GCP、BIツールの活用に多くの知見がある株式会社KUIXがこれまでの経験をもとにMicrosoft Azureのサービスの1つであるAzure Storageにフォーカスし、Azure Storageの概要やストレージの種類、料金体系を解説いたします。
Azure Storageとは
Azure Storage (Azure ストレージ)は、Microsoft社が提供するクラウドプラットフォームサービスであるMicrosoft Azureのサービスの1つで、保存するデータの種類(形式)や目的に応じて、複数のストレージを提供するクラウドストレージサービスです。
Microsoft Azureが提供するAzure Virtual MachinesやAzure Azure Functionsなどの各種サービスを利用する際にデータを保存(格納)場所としてよく利用され、主なストレージの種類は、BLOB/Files/キュー/テーブル/マネージドディスクの5種類があります。
それぞれのストレージの特徴については後述しますが、高い耐久性、拡張性、安全性(セキュリティ)を持つMicrosoft Azureのサービスの1つであり、その他のMicrosoft Azureのサービスとの互換性も高く、万が一の予期せぬ障害や災害からデータ消失を防ぐためにデータを複製する冗長性オプションも用意されているサービスです。
また、REST APIを用いて、HTTPもしくはHTTPS経由で世界中のどこにいてもアクセスでき、運用時の構成管理などではAzure PowerShellとAzure CLIといったコマンドラインツールからデータ管理をすることができます。(Microsoft Azureについては、こちらの記事をご覧ください。)
Azure Storageの種類
Azure Storageには、保存するデータの種類(形式)や目的に応じて以下5種類のストレージが用意されています。
Azure Blob
Azure Blobは、オブジェクトストレージで、ログデータやテキストファイルといった非構造化データを保存するストレージです。
保存するデータをBLOBと呼び、BLOBの入れ物(フォルダのようなイメージ)を”コンテナー”と呼びます。
また、保存している各データごとに一意のURLが発行できるため、Webサーバの代わりに使用したり、配信用の動画を保存して利用することができます。
同様のサービスで代表的なサービスとしては、Google Cloud StorageやAmazon S3などがあります。
※Azure BLOBに関する最新/詳細情報は、Microsoft公式ページを参照ください。
Azure Blob Storage の概要(https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/blobs/storage-blobs-introduction)
Azure Files
Azure Filesは、ファイルストレージでExcelなどのファイルを保存するストレージです。
オンプレミスのファイルストレージを利用している企業のみなさまもいらっしゃるかもしれませんが、Azure FilesはSaaSとして提供されているため、実機サーバーの調達や保守などが不要で、ストレージ容量の監視や拡張などの運用コストを抑えることができます。
なお、ファイルストレージとは、ExcelやWordなどで作成したデータを”フォルダ”として、階層構造で管理・保存できるストレージで、保存される際にファイル名、作成日、サイズ、データ種類などの構成情報と一緒に保存されます。
※Azure Filesに関する最新/詳細情報は、Microsoft公式ページを参照ください。
Azure Files とは(https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/files/storage-files-introduction)
Azure キュー
Azure キューは、メッセージングサービスで、バッチ処理で異なるシステムやアプリケーション間でデータ連携を行う際に利用されるストレージです。
なお、メッセージングサービスとは、システムやアプリケーション間のデータ連携を安全かつ確実を行うためのサービスで、他の代表的なサービスとしては、
Google Cloud Pub/SubやAmazon Simple Queue Service (SQS)などがあります。
※Azure キューに関する最新/詳細情報は、Microsoft公式ページを参照ください。
Azure Queue Storage とは(https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/queues/storage-queues-introduction)
Azure テーブル
Azure テーブルは、RDBMS以外のデータベースシステムを指すNot only SQLの略であるNoSQLデータを保存するストレージです。
NoSQLは、キーバリューストアとも呼ばれ、通常のデータベースと比べ、高速にデータのやり取りを行えるという特徴があります。
※Azure テーブルに関する最新/詳細情報は、Microsoft公式ページを参照ください。
Azure Table Storage とは(https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/tables/table-storage-overview)
Azure マネージドディスク
Azure マネージドディスクは、Azure Virtual Machines(仮想マシン)向けの仮想ハードディスク (VHD)です。
オンプレミスサーバーの物理ディスクのような仮想化されたディスクと同様のイメージですが、クラウドサービスのため、実機サーバーのように調達や保守費用は不要で、必要に応じて拡張することもできます。
※Azure マネージドディスクに関する最新/詳細情報は、Microsoft公式ページを参照ください。
Azure マネージド ディスクの概要(https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/managed-disks-overview)
Azure Storageの料金体系
Azure Storageを利用する際には、Azure Storageを管理する単位でストレージアカウントを作成し利用します。
そのため、各ストレージへのアクセスは、ストレージアカウントによって制御されます。※Azure マネージドディスクは除く。
Azure Storage (Azure ストレージ)の料金は、”使用したデータ量”の他にこのストレージアカウント作成時のストレージのパフォーマンスレベルや冗長性オプションなどの選択によって異なります。
また、”使用したデータ量”には以下が含まれます。
・データ保存量:保存しているデータ量
・トランザクション量:データの書き込み/読み取りを行ったデータ量
・データ転送量:データへのアクセス時のデータ量
※Azure Storage (Azure ストレージ)の料金体系に関する最新/詳細情報は、Microsoft公式ページを参照ください。
Azure Blob Storage の価格(https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/storage/blobs/)
まとめ
Microsoft Azureのサービスの1つである、Azure Storageの概要やストレージの種類、料金体系について紹介しました。
実機サーバーへデータを保存している情報システム担当者の方で、
「サーバーのランニングコストを最適化したい」
「クラウドストレージを導入検討中」
といった方は、Azure Storageをはじめとするクラウドストレージの導入を検討してはいかがでしょうか。
株式会社KUIXではただ導入・開発するだけでなく、導入後の利活用を実現することに着眼した、Azure・GCP・AWS、データレイク・DWH・データマート、BIツールの選定・導入からレポート作成、運用、啓蒙・展開までトータルのコンサルテーションなどを行っています。お困りの方は、ぜひお気軽にご連絡ください!お問い合わせはこちらから