みなさまは、Amazonや楽天市場などでネットショッピングで購入した商品で
「リピート購入したいので商品名が知りたい」
「いつ購入したか知りたい」
といった経験はないでしょうか。
実際には、購入履歴から簡単に確認することができますが、もし、購入履歴から確認できなかったとすると、注文メールや領収書を確認しなければならず面倒ですよね
購入履歴などのデータを蓄積することはもちろんですが、蓄積したデータは簡単に見れたり、分析できなければ意味がありません。
本記事では、国内CRMアプリケーション市場シェア30%以上であるSalesforceのデータを分析することができるCRM Analyticsにフォーカスして、概要や特徴、価格などを解説いたします。
CRM Analytics (旧Tableau CRM、Einstein Analytics) とは
CRM Analytics (旧Tableau CRM、Einstein Analytics)を一言で表すと、Salesforce内のデータをセルフサービスでデータ分析することができるBIツールです。
Tableau CRM、Einstein Analyticsといった製品をお聞きになった方も多いと思いますが、セールスフォース・ドットコム社は2019年にTableau Softwareを買収し、それに伴い、セールスフォース・ドットコム社のBIツール「Einstein Anaytics」は、Tableauに統合され「Tableau CRM」という製品名になりました。
その後、2022年に「CRM Analytics」という製品名になりました。
Salesforceといえば、国内CRMアプリケーション市場シェア30%以上ですが、CRM Analytics (旧Tableau CRM、Einstein Analytics)は、Salesforce内に蓄積した顧客情報などのデータに直接接続し、顧客分析などできるセルフサービスBIとなっています。
また、Salesforceにも標準のレポート・ダッシュボード機能がありますが、CRM Analytics (旧Tableau CRM、Einstein Analytics)は、Salesforce内のデータの他にも他のシステムやExcelデータなども含めて分析することやSalesforce社のAI「Einstein」を利用した予測型分析をすることができます。
補足:BIツール とは
BIツールを一言で表すと「大量データ」を「簡単」に「可視化」するソフトウェアです。
BIツールを導入した企業では、大量のデータを分析し、自社ビジネスを取り巻く環境で何が起きているのか?を迅速に把握できるようになります。
BIツールには、主に次の機能があります。
・大量データのサマライズと可視化
社内外のデータに接続し、大量のデータを集計および可視化(ビジュアライズ)することができます。
・データの深堀
大量データ全体の傾向を把握した上で、より詳細な傾向の要因の分析することができます。
・定型レポートの構築
データは自動更新されるため、レポートは1度作成すれば、常に最新データを確認することができます。
・データの出力(Excel, CSV形式でのダウンロード)
集計および可視化(ビジュアライズ)したデータは、ExcelやCSVファイルなどにダウンロードすることができます。
補足:セルフサービスBI とは
セルフBIサービスとは、CRM Analytics (旧Tableau CRM、Einstein Analytics)eやMicrosoft社のPower BI、Tableau Software社のTableauのようにプログラミングなどのITに関する専門知識を必要とせずにデータの抽出から分析、レポート作成までを行えるツールを指します。
通常、十数年にも及ぶ社内の売上データなどの大量データを扱う場合は、SQLなどのプログラミング言語を用いてデータを抽出するなどプログラミングの知識が多少なりとも必要になり、研修などを受けて経験を積めばBIツールも使いこなせるようになりますが、誰でも簡単にすぐに使えるというわけではありません。
しかし、セルフサービスBIは、プログラミングなどの専門知識がなくても使えるように設計されているため、ある程度Excelなどを使える知識があれば、短期間で誰もが簡単にデータ分析をすることができます。
分析ツール:SalesforceとCRM Analyticsの違い
前述の通り、Salesforceにも標準のレポート・ダッシュボード機能があります。
では、「どのような違いがあるの?」、「どのように使い分けたらよいの?」という方もいらっしゃるかと思います。
両者の利用用途/機能面の違いの詳細は後述しますが、以下のように覚えていただければ問題ありません。
・Salesforceのレポート・ダッシュボード機能を利用する場合
どんなデータを:Salesforce内のデータのみを
どのように:特定の切り口で
見るか:決められた指標を定点観測する
・CRM Analytics (旧Tableau CRM、Einstein Analytics)を利用する場合
どんなデータを:Salesforce内のデータ+Salesforce外のデータを
どのように:様々の切り口で
見るか:データを深堀して課題を分析・特定する
SalesforceとCRM Analyticsの利用用途の違い
利用用途に着目すると、以下のような違いがあります。
〇Salesforceのレポート・ダッシュボード機能
現在の実績データを表示し、目標達成のためのアクションを意思決定するダッシュボード
〇CRM Analytics (旧Tableau CRM、Einstein Analytics)
Salesforce内のデータや他のシステムやExcelデータなど過去データを分析対象として、過去施策の効果測定およびインサイトの発見をし、新たな新規施策立案などのアクションを意思決定するダッシュボード
SalesforceとCRM Analyticsの機能面の違い
機能面に着目すると、以下のような違いがあります。
〇Salesforceのレポート・ダッシュボード機能
・利用可能データ
Salesforce CRM で取得しているデータのみ
・データ更新タイミング
Salesforce内のデータ更新をリアルタイムに反映
・ダッシュボード
断面データで現状を評価するダッシュボード
〇CRM Analytics (旧Tableau CRM、Einstein Analytics)
・利用可能データ
Salesforceプラットフォーム内の全データと 他のシステムやExcelデータなどSalesforce外で管理されているデータ
・データ更新タイミング
CRM Analytics Plusライセンス所有者の場合、最短15分毎
・ダッシュボード
様々な切り口でグラフが連動する動的ダッシュボード
CRM Analytics の特徴
CRM Analytics (旧Tableau CRM、Einstein Analytics)の概要を理解したところで、以下のCRM Analyticsの主な特徴を3点ご紹介します。
Tableauで動的レポートとしてデータを可視化できる
まず1つ目は、Tableauで動的レポートとしてデータを可視化できることです。
CRM Analyticsは、Tableauとの統合により、Salesforceプラットフォーム内の全データと 他のシステムやExcelデータなどSalesforce外で管理されているデータをTableauで様々な切り口で動的レポートとしてデータを可視化することができます。
Tableauでは、特別なプログラミングスキルは不要で直感的な操作でレポート作成やレポート操作をすることができます。
Salesforceと連携して様々なデータを分析できる
2つ目は、Salesforceと連携して様々なデータを分析できることです。
Salesforceは、さまざまな業界や業種に対応しているクラウド型のCRM・SFAツールとなっていますが、CRM Analyticsは、Salesforceのプラットフォーム上の様々なサービスと連携することができます。
機械学習:Einstein Discoveryでインサイトを発見できる
最後は、機械学習:Einstein Discoveryでインサイトを発見できることです。
CRM Analyticsには、Einstein Discoveryという機能があり、通常、データサイエンティストが行うデータクレンジングや統計学的手法などを用いるデータモデル作成などを、AutoMLにより自動的に行うことができます。
そのため、専門的な知識がなくともEinstein Discoveryによって、効率的に予測分析などを行うことができます。
CRM Analytics の価格
CRM Analytics (旧Tableau CRM、Einstein Analytics)のライセンスは、エディションにより4つに分かれています。
・Einstein Predictions
・CRM Analytics Growth
・CRM Analytics Plus
・Revenue Intelligence
また、サポートプランはサポート内容により、4つに分かれています。
・Standard
・Premier
・Signature Success
・Professional Service
◆ライセンスエディション
〇Einstein Predictions
・概要
データを自動的に見つけ、予測にもとづいたインサイトを提供
※Einstein Discoveryのみを利用可。
・価格
9,000 円(税抜)/ユーザー/月(年間契約)
〇CRM Analytics Growth
・概要
あらゆるデータに対応する包括的な分析プラットフォーム
※CRM Analytics プラットフォームのみを利用可。
・価格
16,800 円(税抜)/ユーザー/月(年間契約)
〇CRM Analytics Plus
・概要
AI内蔵の高度な分析プラットフォーム
※CRM Analytics プラットフォームとEinstein Discoveryを利用可。
・価格
19,800 円(税抜)/ユーザー/月(年間契約)
〇Revenue Intelligence
・概要
営業組織の目的に特化したアナリティクスとAIインサイト
・価格
26,400 円(税抜)/ユーザー/月(年間契約)
※CRM Analyticsの各ライセンスエディションの最新情報は公式サイトを参照ください。
CRM Analyticsの価格
https://www.salesforce.com/jp/editions-pricing/crm-analytics/
◆サポートプラン
〇Standard
・概要
オンライン学習、デモ、コミュニティでのアドバイスなど、セルフサービス型のリソースを提供。
・価格
すべてのライセンスに含まれます。
〇Premier
・概要
エキスパートによる支援、定着化ガイダンス、コーチング、リアルタイムサポートを提供。
・価格
該当するライセンス料の30%
〇Signature Success
・概要
最もパーソナライズされた専門知識、プロアクティブなサービス、イベント対応準備などを提供。
・価格
要問合せ
〇Professional Service
・概要
実装の運用開始までの時間の短縮、目標達成、継続的なイノベーションを実現して、Salesforceを最大限利用できるサポートを提供。
・価格
要問合せ
※CRM Analyticsの各サポートプランの最新情報は公式サイトを参照ください。
Success PlanとProfessional Serviceの価格
https://www.salesforce.com/jp/editions-pricing/customer-success/?d=cta-body-promo-139
まとめ
CRM Analytics (旧Tableau CRM、Einstein Analytics)について、概要や特徴、価格などをご紹介しました。
SalesForce に蓄積している大量のデータを活用して、
「日々の業務指標として実績を確認したい」
「インサイトを発見して、施策立案に役立てたい」
といった方はCRM Analyticsの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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