みなさまは、比較的データ量が多いExcelデータを加工する際に以下のように困ったことはありませんか?
「VLOOKUP関数などExcelが固まって(ハングアップして)動かない。」
「定期的に定型作業を実施するので、自動化したい。」
「定型処理しているExcelマクロを修正したいけど、どう修正したら良いか分からない。」
Excelで扱うことができない大量データを「プログラミングなどの知識が不要」で基本的に「マウス操作のみ」でデータ加工できたら業務効率化やデータ分析に役立ちそうですよね!
本記事では、データ接続から分析データ作成までをワークフローとして実行でき、さらにダッシュボード機能も兼ね備える「Alteryx Designer」にフォーカスし、Alteryx Designerの概要や機能、料金などを解説いたします。
Alteryx Designer とは
Alteryx Designer を一言で表すと、データ分析において最も重要な分析データ作成を効率化でき、セルフサービスでデータ分析することができるBIツールです。
Alteryx Designerは、セルフサービス型の分析プラットフォームを提供するAlteryx社が提供するデータ分析に必要なデータ接続から分析データ作成までをワークフローとして、ノンプログラミングで基本的にマウス操作のみでデータ加工を自動化することができるETL(Extract(データ抽出)、Transform(データ変換・加工)、Load(データ読み込み))機能に強みがあるツールです。
また、予測分析や空間分析用のデータ作成の他に2018年のアップデートでは、ダッシュボード機能もリリースされています。
補足:Alteryx製品について
Alteryx DesignerをはじめとするAlteryx製品は、サーバーやPCにインストールするオンプレミス版とSaasとして提供されるクラウド版が提供されています。
オンプレミス版
Alteryx Designerを含むオンプレミス版の製品には以下のような製品があります。
・Alteryx Connect
データカタログ製品です。
Alteryx Designerのワークフローで作成したデータを含めデータの取得元や項目名、テーブル名などのメタデータ(データの詳細情報)を検索することができます。
・Alteryx Server
Alteryx Designerで作成したワークフローのバージョンやスケジュール実行を管理するための製品です。
通常、Alteryx Designerで作成したワークフローは、手動実行する必要がありますが、Alteryx Serverへデプロイ(公開)することで、スケジュール実行など自動実行することができます。
・Alteryx Designer
本記事で主に取り扱うセルフサービス型のETL(Extract(データ抽出)、Transform(データ変換・加工)、Load(データ読み込み))機能に強みがあるBI製品です。
ノンプログラミングで基本的にマウス操作のみでデータ加工を自動化するワークフローを作成・実行することができます。
また、作成したデータは、データのビジュアル化(グラフ化)に強みがあるTableauやPowerBIなどで利用することができます。
※Alteryx Designerのシステム要件に関する詳細は公式サイトを参照ください。
Alteryx Designerのシステム要件
https://help.alteryx.com/current/ja/designer/system-requirements.html#idm46252868511808
・Alteryx Promote
予測分析などの機械学習モデルを作成・管理ができる製品です。
RやPythonなどを利用した予測モデルをボタンクリックのみで作成することができます。
クラウド版
クラウド版は、Alteryx Analytics Cloudという名称でSaasとして提供されています。
なお、Alteryx Designerは、Designer Cloudという名称で提供され、その他に以下のような製品があります。
・Designer Cloud
ETL(Extract(データ抽出)、Transform(データ変換・加工)、Load(データ読み込み))機能に強みがあるBI製品です。
Snowflakeと組み合わせることで、Snowflake側ですべてのETL処理を行うことができます。(In-DB処理)
・Auto Insights
データのビジュアル化(グラフ化)に強みがある製品です。
・Machine Learning
予測分析などの機械学習モデルを作成・管理ができる製品です。
補足:BIツール とは
BIツールを一言で表すと「大量データ」を「簡単」に「可視化」するソフトウェアです。
BIツールを導入した企業では、大量のデータを分析し、自社ビジネスを取り巻く環境で何が起きているのか?を迅速に把握できるようになります。
BIツールには、主に次の機能があります。
・大量データのサマライズと可視化
社内外のデータに接続し、大量のデータを集計および可視化(ビジュアライズ)することができます。
・データの深堀
大量データ全体の傾向を把握した上で、より詳細な傾向の要因の分析することができます。
・定型レポートの構築
データは自動更新されるため、レポートは1度作成すれば、常に最新データを確認することができます。
・データの出力(Excel, CSV形式でのダウンロード)
集計および可視化(ビジュアライズ)したデータは、ExcelやCSVファイルなどにダウンロードすることができます。
補足:セルフサービスBI とは
セルフBIサービスとは、SAP Analytics CloudやMicrosoft社のPower BI、Tableau Software社のTableauのようにプログラミングなどのITに関する専門知識を必要とせずにデータの抽出から分析、レポート作成までを行えるツールを指します。
通常、十数年にも及ぶ社内の売上データなどの大量データを扱う場合は、SQLなどのプログラミング言語を用いてデータを抽出するなどプログラミングの知識が多少なりとも必要になり、研修などを受けて経験を積めばBIツールも使いこなせるようになりますが、誰でも簡単にすぐに使えるというわけではありません。
しかし、セルフサービスBIは、プログラミングなどの専門知識がなくても使えるように設計されているため、ある程度Excelなどを使える知識があれば、短期間で誰もが簡単にデータ分析をすることができます。
Alteryx Designer の機能・特徴
Alteryx Designerの概要を理解したところで、Alteryx Designerの主な機能・特徴を以下の3点ご紹介します。
データ接続から分析データ作成までをワークフローとして実行できる
まず1つ目は、データ接続から分析データ作成までをワークフローとして実行できることです。
Alteryx Designerは、他のBIツールと同様にExcelやCSVファイル、OracleやMicrodoft SQL Serverなどのデータベースのデータにも接続することができます。
また、インメモリ処理による高速処理のため、会計データや在庫データなどの日次の大量データであっても高速に処理することができます。
そのため、一度、Excelファイルやデータベースとのデータ接続からフィルター処理やデータ結合などのデータ加工をワークフローとして作成することで、
毎月行っている定型処理を最新データで再実行することで業務を効率化することができます。
なお、データベースは、インメモリ型とオンディスク型の2種類があり、以下のような違いがあります。
〇インメモリ型
・概要
コンピューターのメモリ(主記憶装置)上でデータを管理するデータベース
・メリット
データの読み書きが非常に高速。(メモリはディスクと比べて100倍程度応答速度が早い)
・デメリット
ハードウェア障害などでデータを消失するリスクが高い。
サーバーに大容量のメモリを搭載する必要があるため、コストが高い。
〇オンディスク型
・概要
HDDやSSDなどのディスクストレージ上でデータを管理するデータベース
・メリット
ディスク容量の制限がないため、大量のデータを格納できる。
サーバーに大容量のメモリを搭載する必要がないため、コストを抑えることができる。
・デメリット
データの読み書きがやや遅い。
予測分析ができる
2つ目は、予測分析ができることです。
Alteryx Designerでワークフローを作成する際に、RやPythonでのデータ加工を同じワークフロー上で実行することができます。
通常、用意したデータをRやPythonでデータ加工する際は、別のツールを利用することも多いですが、Alteryx Designerでは、Alteryx Designer内でRやPythonでのデータ加工をすることができます。
そのため、データ接続からデータクレンジングといったデータ前処理から予測分析用のRやPythonでのデータ加工まで実行することができます。
インサイト(洞察)の共有ができる
最後は、インサイト(洞察)の共有ができることです。
Alteryx Designerは、ETL(Extract(データ抽出)、Transform(データ変換・加工)、Load(データ読み込み))機能に強みがある製品ですが、
ワークフローを作成・実行するだけでなく、以下のような形式で作成したデータから得られたインサイト(洞察)の共有ができます。
・ExcelやXML、PDF、Tableau hyper等の様々なファイル形式
・専用コネクタによるTableau、Qlik Sense、Power BIとの連携
Alteryx Designer の料金
前述の通り、Alteryx Designerには、オンプレミス版とクラウド(Saas)版の2種類があり、料金は以下の通りです。
なお、オンプレミス版とクラウド(Saas)版ともに無料トライアルがあります。
※無料トライアルの詳細は公式サイトを参照ください。
Alteryxの無料トライアル
https://www.alteryx.com/ja/designer-trial/free-trial-alteryx
〇オンプレミス版
・価格:1ライセンス $5,195 USD/年
・備考:米国外の価格は要問合せ
〇クラウド版
・価格:1ライセンス $4,950 USD/年(Designer Cloud Professional Edition)
・備考:米国外の価格は要問合せ
新規契約時は、別途プラットフォーム利用料および最低3ユーザー以上の契約が必要
※Alteryx Designerの最新料金、お問い合わせは公式サイトを参照ください。
Alteryx Designerの価格
https://www.alteryx.com/ja/products/pricing
まとめ
Alteryx Designerの概要や機能、料金などについてご紹介しました。
ビジネスデータが集まっているERP製品内のデータや業務システムで利用しているデータベース内のデータを活用して、
「データ加工を効率化したい」
「インサイトを発見して、施策立案に役立てたい」
といった方はAlteryx DesignerをはじめとするBIツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
KUIXではただ導入・開発するだけでなく、導入後の利活用を実現することに着眼した、データレイク・DWH・データマート・BIツールの選定・導入からレポート作成、運用、啓蒙・展開までトータルのコンサルテーションなどを行っています。
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