「MicroStrategyについて知りたい!」
「MicroStrategyを活用することでどういうメリットがあるのだろうか?」
ビジネス環境の複雑化と急速なデジタル変革が進む現代において、企業はデータを有効活用し、迅速かつ的確な意思決定を行う必要があります。
その中で注目されているのが、「MicroStrategy(マイクロストラテジー)」と呼ばれるデータ分析プラットフォームです。MicroStrategyはAIとBIツール専業のベンダーであるMicroStrategy社の製品で、日本ではまだ馴染みがないかもしれませんが、Gartner社によるAnalytics DeveloperがスコアリングするEnterprise Analyticsの部門で1位にランクするほど、高く評価されています。本記事ではそのMicroStrategyについて解説します。
MicroStrategyとは
MicroStrategy(マイクロストラテジー)とは、アメリカのバージニア州に本社がある世界最大規模のBI専業ベンダーのMicroStrategy社が提供するBIツールです。
MicroStrategy社は30年以上の歴史を持ち、自社開発で製品を提供しているのが特徴です。
MicroStrategyはBIツールまたはデータ分析プラットフォームとして位置付けられており、主な機能として、セルフサービス分析、ビジネスレポート、高度なアプリケーション、組み込み分析をサポートしています。
マルチクラウド対応やインサイトの自動作成、AIによる未来志向の分析など、BIツールの中でも最先端な機能はあらかた実装されており、他製品と比較しても見劣りする点が少なく、完成度の高いBIツールです。
ソニーやヒルトン、VISAなど、世界規模の大企業により活用されており、データ分析によるインサイトの抽出や、分析アプリケーションの作成、他サービスへの分析の組み込みなど、様々な用途で事例が存在しています。
MicroStrategyの特徴
MicroStrategyの特徴について解説します。
分析アプリケーションの作成機能
ノーコード、ローコード、オールコードで、分析アプリケーションを作成可能です。
オールコードに対応しているので、通常のBIツールと比べて、拡張性や自由度が高いのが特徴です。
機械学習による分析インサイトの自動生成
機械学習の活用により、データパターン、異常値を事前に検出、ユーザーに通知を行うことが可能です。
特にビッグデータや、多様なカテゴリのデータを扱う場合に、人間の目で全てのデータの把握を行うことは困難なので、機械学習によるパターンや異常値の検出が役に立ちます。
マルチクラウド対応、多様なデータソース
MicroStrategyはパートナーにより可能性を引き出せるよう、オープンな設計をされているのが特徴です。
AWS、Microsoft Azure、Google Cloudと連携可能で、RESTful APIとSDKにより、開発者はMicroStrategyの統合開発ができます。またSnowflakeやDatabricsなど他の有名なデータ分析プラットフォームと接続可能で、データをブレンドできる点もMicroStrategyのメリットです。
AIが活用されたシンプルなワークフロー
MicroStrategyはインターフェースが直感的で、会話型のAIをベースにした分析や構築も可能です。
分析初心者にとっても、AIに質問することで分析の要約を得たり、ダッシュボードを構築することができます。
「Intelligence Everywhere」の推進のため、MicroStrategyはあらゆるユーザーがデータにアクセスできる環境を提供します。
MicroStrategy vs Looker
MicroStrategyは他のBIツールと比べてどのような優位性があるでしょうか。
有名な製品と具体的な機能を比べてMicroStrategyの優れている点をご紹介します。
分析機能
MicroStrategy:自動モバイル対応ビュー。AIによるインサイトの獲得、予測分析。ダッシュボード起点でワークフローを開始して、結果を安全にデータベースに書き込むことが可能です。
Looker:AIによる予測分析に対応していません。ダッシュボードのレイアウトはタイルのみで、ページデザインに対応していません。
アドホックな分析
MicroStrategy:コードなしでアドホックなデータの分析が可能です。データ構造やコーディングを理解していないユーザーでも、すぐにセルフで分析を始めることができます。
Looker:分析やダッシュボードの構築には事前にLook MLによるデータの定義が必要なため、アドホックな分析に対応していません。直感的に分析を行えるようになるにはLook MLの学習が必須です。
分析結果のシェア
MicroStrategy:コメントやタグ付け機能により、ユーザーは分析結果の重要点を他のユーザーと議論することができます。Excelへのビジュアライゼーションの一括エクスポートや、ブックマーク機能により、他ユーザーとの結果の共有が容易にできます。
Looker:コメント機能や、Excelへの完全なビジュアライゼーションのダウンロード機能がないため、他ユーザーとの結果の共有や、資料のエクスポートに難点があります。
分析プラットフォームとしての設計
MicroStrategy:30年に渡って、包括的な製品機能を開発してきたことにより、分析プラットフォームとして一貫性があり、わかりやすいです。
Looker:Looker Studioと接続ができなかったり、ツールとして統合性が低いです。Lookerインスタンスも顧客側が立ち上げないといけなかったり、不便な面が目立ちます。
MicroStrategy vs Tableau
自動SQL生成
MicroStrategy:自動SQL生成機能により、高効率なSQLを作成します。また既存のSQLの最適化や、SQLステートメントの自然言語による説明機能も実装されています。
Tableau:Tableauには該当する機能がありません。
AI機能
MicroStrategy:アーキテクトからアナリスト、エンドユーザーまで、全員が利用可能なAI機能を提供します。
Tableau:アーキテクトや開発者のためのAI機能は存在せず、エンドユーザー向けのAI機能のみ対応しています。
セキュリティとデータガバナンス
MicroStrategy:AI機能により、自動でアクセス制御とユーザーレベルでの機能制限を考慮します。
Tableau:データセットごとに手動でセキュリティを構成する必要があり、セキュリティの問題が発生する可能性があります。
製品開発力
MicroStrategy:MicroStrategyのAIの技術は全てBIの強化と、AIによるアプリケーション開発に集中されています。
Tableau:TableauのGPTの統合機能は2024年までリリースされません。
MicroStrategyの優位性に着目したため、MicroStrategy寄りの内容とはなりましたが、単純な機能比較において、LookerやTableauなどのシェアの多い製品と比べてもMicroStrategyのパフォーマンスが高いことがわかります。
まとめ
MicroStrategyは日本ではまだあまり馴染みが薄いですが、Gartner社のレポートによるエンタープライズアナリティクス部門で6年連続第1位を獲得していたり、BARC SCOREのエンタープライズBI部門でポートフォリオ機能の第1位を獲得したりと、世界的な評価の高いBIツールです。
マルチクラウド対応なので、現在AWSなどのクラウド上でデータ基盤を構築されている場合、分析のプラットフォームの選択肢として考えてみるのはいかがでしょうか。
直感的なインターフェースとAIチャット機能により、使い始めやすいワークフローとなっているため、心理的、技術的な導入障壁は低いように思います。本記事を読んで、MicroStrategyについて興味を持っていただけたのであれば幸いです。
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