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DMPとは?混同しやすいCDPとの違いや機能、活用のメリットを紹介!

「DMPってよく聞くけど、どういうもの?」

「DMPを活用することでどういうメリットがあるの?」

主にマーケティング分野でよく聞かれるDMP(Data Management Platform)ですが、具体的な機能や活用するメリットをご存知でしょうか?

詳細は後述しますが、DMPの導入には以下のようなメリットが挙げられます。

・様々なデータソースを一箇所に集約することにより、データ管理、統合データの分析が容易になる

・既存顧客の属性・行動傾向などの解像度が向上する

・市場の見込み顧客の規模・属性を明らかにすることに役立つ

・マーケティング施策のヒット率が向上する

本記事ではDMPについてその概要と活用することで得られるメリットをご紹介します。

目次

DMPとは

DMPとはData Management Platform(データマネジメントプラットフォーム)であり、顧客1人1人の属性データや、行動データ、パブリックに公開されている人口統計のデータ、SNSのデータを収集し、クレンジング、統合を行い、分析ができるようにしたデータのプラットフォームを指します。

パブリックDMPとプライベートDMP

DMPに収集されるデータには2種類あり、それぞれパブリックDMPとプライベートDMPというように区別されて呼称されます。

パブリックDMPとは、いわゆる3rd Partyデータであり、公開されている外部のデータを指します。パブリックDMPは例えば以下のようなデータです。

・人口統計のデータ:性別、年齢、居住地、所得、職業などを含む

・SNSのデータ:FacebookやTwitterなどで取得可能な、投稿やプロフィールのデータ

・地域・時期ごとの天気・気温や人口密度などの統計データ

プライベートDMPとは、1st Partyデータを指し、自社で収集し保管しているデータのことで、例えば以下のようなデータです。

・顧客情報(年齢・性別などの属性)

・自社Webサイトの行動ログ

・アンケートなどの回答結果

・DMのクリック率や開封率

・実店舗のPOSデータ

一般的にはパブリックDMPのデータは新規顧客開拓に貢献し、プライベートDMPのデータは既存顧客のアップセルやクロスセルに貢献すると言われていますが、実際には両方のデータを掛け合わせることでより深い顧客の理解が可能になります。

例えば、10代男性の顧客がECサイト(時には実店舗の行動ログ含む)上でどのように回遊し、最終的に商品購入に至ったかを記録し、これらのデータを10代男性というセグメントで面として見て統計的に解析を行うことで、顧客の思考や特性を深いレベルで理解し、マーケティングに活用します。

他にもDMPのデータをMAツールに利用して、顧客に最適化されたメール配信やレコメンドを行ったり、DMPのデータで機械学習、統計解析をかけて、得られた示唆から次のアクションプランを立てる、といった活用が行われます。

3rd Party Cookie規制強化によるプライベートDMP重要視の流れ

現在3rd Party Cookieによるデータの取得が、個人情報保護の観点により、規制の強化傾向にあります。そのためより一層1st Partyデータ(自社で収集するデータ)を充足させること、プライベートDMPとして適切にデータ管理を行うことが重要視されています。

またマーケティングの側面から見ても、購買行動の多様化や、広告などの価値訴求媒体の多様化により、以前より顧客のペルソナが画一的に掴みにくくなっており、顧客1人1人に合わせたOne to Oneマーケティングが重要と言われていることからも、プライベートDMPの導入は優先度の高い事項となっています。

DMPとCDPの違い

マーケティング分野でDMPと混同されやすいものにCDPがあります。

CDP(Customer Data Platform)は、自社で収集された1st Partyデータの中でも、特に顧客に関するデータ群のことを指します。つまりプライベートDMPとCDPがほぼイコールの概念であり、CDPの方がより顧客に紐づくデータであるということが強調されていることが特徴です。

両者の違いについて厳密に区別するというよりは、DMPの方がパブリックデータを含むより広いデータ範囲を指していると理解しておくと良いでしょう。

DMP活用のメリット

DMPに自社で収集した1st Partyデータである、顧客の年齢や性別、住所などの個人情報、購買履歴やアクセスログなどの行動データを集約することで、広告ツールやMAツールなどの外部サービスと連携させて、顧客1人1人に合わせた最適化されたマーケティング施策の実施が行えるようになります。またマーケティング施策の結果、購買頻度が向上した、などの結果の観測や振り返りもDMP上で行えるようになるため、PDCAサイクルを半自動的に回すことも可能です。

また、ここに3rd Partyデータも加えることで、世間一般のニーズや傾向に比べて、どのような特徴があるのか?といった情報や、SNS上で自社サービスがどのように言及されているかについても知ることができるため、より深い洞察を得ることができます。

DMPの機能

DMPの導入には、

・BrainPad社「Rtoaster」

・TREASURE DATA社「Treasure Data CDP」(名称はCDPですね、以前はDMPと銘打っていたのですが(笑))

のように、サービスとして提供しているDMPを導入する方法と、

自社で必要な機能の開発とPaaSのストレージサービスなどを利用して1から構築する

2種類の導入方法があります。

いずれの場合も主な機能としては以下の3つで構成されます。

・データの収集

・データのクレンジング・統合

・データの分析

データの収集

最も重要な機能がデータの収集です。

データはあるものの社内のあらゆる場所に散在している場合、まずはそれらのデータをDMPに集約させるコネクターが必要になります。またデータ自体存在していない場合は、まずはどのようにデータを取得するか、という点から検討する必要があります。

このように業務全体を把握してディレクションできる人物もDMPの導入には必要になります。

3rd Partyデータの取得には、まずはデータを保有している機関や法人の調査、APIが公開されている場合は、APIを利用してのデータの取得、そうでない場合は、CSVファイルなどのダウンロード、時にはデータ提供の依頼等が必要になる場合もあります。

またエンジニアの観点から言えば下記のスキルが要求されます。

・インターフェースやデータ仕様の策定

・テーブル設計

・PaaSのストレージサービスの初期設定や構築

顧客に関するデータであれば、例えば実店舗での顧客の行動データやアンケート結果などのオフラインのデータも含めて、DMPに集約することを検討するべきです。

1度DMPに集約させてしまえば、以降はDMPさえ参照すれば必要なデータをいつでも分析可能な状態になるため、DX経営を強力に後押しする基盤となるでしょう。

データのクレンジング・統合

DMPの2つ目の機能は、データのクレンジング・統合です。

最終的には顧客1人1人にIDを割り振って、顧客属性や行動データを紐づけることを目指します。

データのフォーマットや構造がデータソースによってバラバラの場合、1つずつ整形して統合する必要があるので、実装に特に気を遣うパートです。

実際には別々のデータソースの場合、メールアドレス、IPアドレス、デバイスといった部分的な情報から、統計的にXX%正しいといった確率的マッチングを採用して、紐付けを行う場合もあります。

顧客のデータが詳細になるほど、データ分析の精度は向上し、的確に顧客の属性やニーズを把握できるようになり、マーケティング施策の効果の向上が見込めます。

データの分析

DMPの3つ目の機能は、データの分析です。

収集して、統合を行い、分析が可能になったデータセットに対して実際に分析をかけて、示唆を抽出します。

データの分析はTableauやLookerなどのBIツールとデータを接続して、行われることがほとんどです。

データの分析では、統計的な解析の他にも、機械学習を用いたラベリングやスコアリングにより、顧客をクラスター分けするといった作業も行われます。これも後のマーケティング施策実施時に、より顧客1人1人に最適化された施策を実施できるようにするためのDMPの重要な機能です。

まとめ

本記事ではDMPについて概要と活用のメリット、混同しやすいCDPとの違いについて解説しました。

DMPとCDPにはデータ範囲の違いはあるものの、プライベートDMPとCDPはほぼ同じ概念となっています。

Googleトレンドを見ると5年前と比べると最近はCDPの方がトレンドのようですね、顧客データという点を強調しているからでしょうか。

マーケティング分野でありながら非常にエンジニアリング要素の高い概念のため、具体的に社内でDMP導入、推進について何から進めていけば良いか迷われている方も多いのではないでしょうか。まずは本記事で解説したような概要とメリットを把握していただき、ビジネスに実際に組み込んでみようと思っていただけたのであれば幸いです。

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