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Lookerとは?次世代型BIツールの特徴や利点、活用事例について

「Lookerについて知りたい!」
「Lookerを活用することでどういうメリットがあるのだろう」

近年BIツールによるデータの可視化と分析はあらゆる業態の企業にとって必要不可欠であり、企業のDX化やデータドリブンな経営の達成に大きく寄与する要因となっています。

一口にBIツールといっても、様々な大手テック企業がBIツールを提供していて、どれを採用するか悩まれたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事ではBIツールの中でも特にデータガバナンスやデータモデリングに優れる、Google Cloudが提供するBIツール「Looker」について解説します。

目次

Lookerとは

LookerとはGoogle Cloudが提供する次世代型のBIツールです。
元々Looker Data Science社が開発したBIツールなのですが、2019年にGoogleに買収され、引き続きGoogleにより開発やサービスの提供が行われています。
BIツールの中でも「次世代型」と称されるように、従来のBIツールとは異なった特徴を持っています。

例えば、従来のBIツールではデータベースのデータをBIツール内に抽出して使うことが多かったのですが、Lookerはそのようなデータのストレージを持っておらず、データベースに直接アクセスして、データの可視化を行います。
そのためデータベースの性能をフルに活用できたり、セキュリティ面での懸念がなくなるといった利点があります。
また、LookerにはLook MLというデータモデリング用の言語が用意されており、Look MLによってモデルとビューというファイルを作成してデータの定義を決定した後、Looker上でデータの可視化を行えるようになります。

Look MLでデータの定義を決定することにより、例えば「売上」という項目1つとっても集計によっては「合計売上」や「平均売上」と複数の見方が存在します。このような定義のブレをなくし、誰が分析しても一意のデータであるというデータの一貫性を保つことができます。
このような要因により、Lookerは他のBIツールと比べて特にデータガバナンスやデータモデリングに優れていると言われます。

LookerとLooker Studioの違い

Google Cloudが提供しているBIツールにはLookerの他にLooker Studioがあります。
名前は似ているのですが、開発元がLookerはLooker Data Science社、Looker StudioはGoogle Cloudと別ものなだけあって、BIツールとしての性能や機能は大きく異なります。
Looker Studioは無料ですぐに使い始めることが可能ですが、Lookerは有料のBIツール製品の中でも比較的高額で、月額や年間での契約や、ユーザーライセンスの契約が必要になります。

使用できるデータソースに関しても、Looker Studioはデータベース、Google Sheets(スプレッドシート)、CSV、Google Analyticsなど多様なデータソースとの接続が可能なことに対し、Lookerはデータベース限定です。
データモデリングに関して、Looker Studioは基本的なSUMなどの計算関数が使えるのみなことに対し、LookerはLook MLで複雑な計算関数が使用可能かつ厳密にデータを定義します。

その他、Lookerだけの特徴としてSlackなどの外部ツールとの連携やWeb画面への埋め込みなど、開発の作り込みの自由度が高く、業務に組み込みやすいという点があります。

総合すると、Looker Studioは
・データ分析を始めたい
・スポットでデータ分析を行いたい
・データ分析の文化がない社内にデータ分析を広めたい
このようなライトな目的に向いています。

Lookerは
・明確なビジョンがある中で、データ分析プラットフォームとして社内に根付かせたい
・誰が分析を行なっても定義によってブレない厳密な分析を行いたい
・Web画面や外部ツールと連携し、より業務に緊密に組み込みたい
このような具体的な目的があったり、既にデータ分析の文化が存在する企業に向いていると言えます。

Lookerの特徴と利点

Lookerの特徴と利点についてまとめます。

優れたデータガバナンスによるデータの信頼性とセキュリティの高さ

使用できるデータソースがデータベースのみ、Look MLによるデータモデリングが必要といった特徴により、あらゆるBIツールの中でもデータガバナンスに特に優れています。
またユーザーの権限制御に関しても、ユーザーやグループごとに行・列単位での制御、データセット単位での制御などかなり柔軟にアクセスの制御を行える点も特徴的です。

見やすく綺麗なグラフやダッシュボードの作成が可能

Lookerの特徴として、データモデリングには知識がいるものの、データの可視化については誰でも直感的にグラフや表が作成可能という点があります。
またLookerで作成できるグラフやダッシュボードは、シンプルで見やすく、カラーやデザインも細かく変更が可能で、特に毎日閲覧するようなダッシュボードの場合ストレスなく閲覧できる点は大きな利点です。

Slackなどの外部ツール、Web画面との連携や組み込みの開発が可能

多くのBIツールがBIツール上での分析で完結していることが多いことに対し、Lookerは外部ツールや外部API、Web画面との連携や組み込み開発をサポートしている点が特徴です。
この機能により例えば、
・Lookerのグラフで閾値を上回った時にSlackにアラートとして通知する。
・Web画面にLookerのグラフを掲載する
・LINEやSalesforceと連携して、マーケティングの自動化やリアルタイムのデータ分析として使用する
このような活用のシナリオが考えられます。

ビッグデータ分析に強い

データソースとしてデータベースのみ使用可能な特徴から、ストレージとしてデータベースの性能をフルに活かすことができるため、ビッグデータの分析用途として長けています。
他のBIツールの場合、まずデータソースからデータを抽出するのにかなりの時間がかかったり、描画に待ち時間が発生するといったことがありますが、Lookerの場合そのような心配が要りません。

Lookerのユースケースと活用事例

Lookerのユースケースとして、まず一般的なBIツールと同様にデータベースに格納した自社データの分析を行いたい、といったケースに対応しています。
その他、主要KPIを1ページにまとめたリアルタイム経営ダッシュボードを作成したい、閲覧するユーザーの部署によってその部署に対応したデータのみを表示するダッシュボードを作成したいといった、毎日閲覧するダッシュボードの作成に向いています。

具体的なLookerの活用事例について見ていきます。

・みずほ銀行
国内メガバンクで初めてのLookerの導入事例です。
以前は各営業店ごとに表計算ソフトで作成したデータを元に実績管理を行なっていたため、営業店ごとに本部へ報告する資料の内容に差がありました。
Lookerの導入により、みずほ銀行のCRMソリューションに格納されているデータを元にLookerによって実績管理をワンストップで行えるようにするプロジェクトが進行しています。
Lookerの外部ツールとの連携機能やデータの加工・集計をLook MLにより行える点、ダッシュボードのUIが優れている点により、採用されました。

まとめ

Lookerは次世代型BIツールと言われているだけあって、データモデリングにLook MLの習得が必要であったり、場合によっては敷居の高さを感じられることもあるかもしれません。
ただ、Lookerは使えば使うほど、データガバナンスの高さに感心したり、外部ツールとの連携によってできることの多さに驚くような作り込みの深いツールだと思います。

逆に、データの可視化についてはLook MLによる定義がされていれば、誰でも直感的にデータの可視化が可能という点で、非エンジニアでも分析が可能なユーザーフレンドリーさも持っています。
本記事がLookerについての理解を深める一助になりましたら幸いです。

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